「事業承継、事業再生、M&A関係の資格を取りたい!」という人のために 改訂(3)

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認定事業再生士(CTP)・認定事業再生士補(ATP)

日本ターンアラウンド・マネジメント協会(TMA)が主催する、認定事業再生士(CTP)と認定事業再生士補(ATP)という資格があります。

CTPの取得については、それなりの時間の勉強が必要なようです。合格すれば協会員として会費を払う点は他の資格と同じです(年会費 ATP5,500円、CTP44,000円、入会費別)。

かつて事業再生の資格について調べていた際、最初に気になったのがこの資格でした。そこで、中小企業診断士で資格を保有している方に話を聞いたところ、「ATPならすぐ取れるし、あまり意味ないよ」と言われたので興味がなくなってしまいまいした。(これはあくまでもその方の意見です)

ATP試験は「経営」「財務会計」「法律」の3科目です。中小企業診断士やMBA修了者であれば「経営」、会計士・税理士であれば「財務会計」、弁護士・法科大学院修了者であれば「法律」の試験が免除になります。

ATP試験の対策は良く分かりませんが、TMA協会のホームページに過去問題が掲載されています。この試験を受験する際には、認定教育機関での研修60時間が必要とされていますが、金融検定協会の事業再生アドバイザー(TAA)試験に合格すれば、この60時間の研修は免除になるそうです。

TACのDVD講座を受講した場合もこの研修は免除になるようです。ただ、ATPの受験者と合格者を見ると合格率は6割以上で、TACのDVD講座は59,000円もするので、私は興味を持ちませんでした。

CTPは事業再生関係の資格としては最も難しい気がしますが、取得にかかる手間や年会費等のコスト、更に資格所得後の仕事という点で、他の資格と比較して魅力があるのかどうかはわかりません。

興味がある方はTMA協会の ホームページで確認してみて下さい。

事業承継支援研究会

最後に、東京都中小企業診断士協会のお知らせで知った事業承継支援研究会です。事業承継コンサルティング株式会社が主催している勉強会で、資格は取得できませんが、毎月事業承継のセミナーやケーススタディによる議論を通じて事業承継を学ぶことができます。

中小企業診断士だけでなく他の士業やサラリーマンも参加していますので、実際の事例研究やネットワーク作りには良いのではないでしょうか。中小企業診断士協会内の研究会ですが、銀行員やその他事業会社等、診断士ではない人でも参加ができます。

会費は半年で9千円、毎回資料代として1千円が必要です。会費を払わなくても、1回3千円程度と資料代1千円を支払えば、スポットで参加できます。勉強会の後は懇親会も行われていますので、士業の方や金融機関の方々と知り合いになる機会があると思います。

会は毎月第一月曜日に日本橋で開催されていましたが、今はZoomによるリモート開催となっています。次回は8月4日に開催される予定です。また、HPに登録すると、研究会の開催情報や、その他補助金等の情報も配信されます。

内容やレベルはさまざま

私が事業承継やM&Aの資格について調べた時は、まだ情報が少なかったため、「地方銀行が新聞にわざわざ記事を載せるぐらいなら結構難しい試験なのだろう」と思っていました。

最初は、M&Aシニアエキスパート資格を取得するつもりで、その前段となる事業承継・エキスパート資格試験をCBTで受験して合格しましたが、その後、日本M&Aセンターと地方銀行との仕組みや、養成講座を受講すればほぼ試験はパスできるということを知ったため、講座には申し込みませんでした。

事業承継・エキスパート資格試験は、中小企業診断士一次試験の法務に出てくる問題が多く、問題集も薄いので、頭の整理という意味では受験してみる価値はあるかもしれません。

CRCの事業再生マネージャーは、資格を取得するというより、ネットワークが広がりそうだったため受講しました。こちらは中小企業診断士や銀行員を中心に色々な人が参加しており、講座を通して知り合いになれて楽しかったです。セミナーでは吉野家の安倍会長もスピーカーとして登壇されました。

このCRCという組織は金融機関から取引先企業の事業承継や事業再生を依頼され、そこに事業承継マネージャーや事業再生マネージャーを派遣する仕事を主としています。

元々、事業再生等ができる人材を養成し、派遣することを目的に講座を開催しているようですので、試験に合格して仲良くなると仕事が来るかもしれません。講師の方々も養成講座に参加して、今の仕事に繋げている人が多いようでした。

事業承継や事業再生の資格や養成講座はネットで検索すると沢山出てきますので、ここで紹介したもの以外にも良い講座はあると思います。

「期待」と「費用」を考えて

最初に申し上げた通り、M&Aや事業再生・承継の仕事に資格は不要です。

M&A等や事業承継の仕事を進める上で、法務に関するものであれば弁護士や司法書士、会計・税務関係であれば会計士や税理士に依頼しなければなりません。しかし、それ以外の業務に資格は不要。誰でも業務に関われます。

不動産取引を行う人には、国家資格である宅建士の資格が求められるのに、より複雑なM&A取引を行う人に資格が不要であるというのはおかしな気もしますが。

実際に資格取得を検討する場合は、それぞれの団体の背景や所属会員等を理解し、ご自身がその講座に期待することと費用のバランスを見極めた上で、決められることが良いと思います。

養成講座のように3日~1週間の期間が必要となるセミナーは、夏休みや年末に行われることが多いです。ただ、コロナ禍の影響で、集合して講座を受講することが難しくなっています。ご紹介したモノの大半は、WEBで対応していますが、状況によっては、今後休止となるものもあるかもしれません。もし興味があれば、直接HPを確認して下さい。

「中小企業支援者のためのM&A・事業承継入門」

最後に、少し宣伝になりますが、拙書「中小企業支援者のためのM&A・事業承継入門」には中小企業の事業承継における問題点、M&Aや事業承継支援の実態や業界の構造について、データとインタビューを基に初心者にも理解できる内容が記載されています。

小規模・中小企業がなぜ事業承継を行わなければならないのか、その際、最も問題になることは何なのか、売却する経営者は何に注意すれば良いのかは当然ながら、買収する側の問題点やPMIの重要性、PEファンドとは何かまで。これからM&Aや事業承継を行う場合、どのような専門家に依頼すれば良いのかを知ることができます。

また、M&Aや事業承継の支援を行う際のビジネスモデルや事業計画についても具体的に数字の根拠を示しながら記載しましたので、この領域でビジネスを始められる方には参考になるかもしれません。

本書は、昨年Amazonのコンサルティング部門の1位となり、今でも皆様に広くご覧頂いております。ご興味がある方は書店にご注文いただくか、下の画像をクリックいただければAmazonのサイトから購入することができます。

尚、著書に書いてある内容は、私のブログにも掲載してありますので、一つ一つ読むのが面倒でなければそちらをご覧下さい。

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