「事業承継、事業再生、M&A関係の資格を取りたい!」という人のために 改訂(1)

Pocket

増え続ける事業承継とM&A

以前、事業承継・再生、M&Aの資格を取りたい人への情報として記事を書きました。最近事業承継に関してのニーズがますます高まってきているのか、ずいぶんとM&Aに関するご質問をいただくことも増えました。

私自身は現在アドバイザー事業は行っていませんが、大事な企業を手放す経営者や、これからアドバイザーを目指す方のために、以前の記事をリバイスし、資格に興味がある方に再度ご覧いただくことにしました。

M&Aや事業再生にセミナーも、リモートでの講義が増え、地方にいる方でも比較的簡単に受講できるようになりました。しかしその一方で、民間資格セミナーの利点である「講師や受講生とのつながりを持つ」ことが、なかなか難しくなってきています。

M&Aのアドバイザーは1件当たりの利益額が大きく、資格も不要であるため、支援者は、まさに玉石混交です。不動産売買には宅建士の資格が必要なのに、M&Aは誰でもできてしまうという点もその一因だとは思います。規制や資格が大好きな国で、それが許されていることは不思議ですが、これから更に増えるであろう事業承継やM&A、そして事業の再生について、正しい知識を持った専門家が一人でも増えて欲しいと思い、リバイス版を再掲いたします。

事業再生・承継、M&Aの資格とは

「M&Aの勉強がしたい」、「事業承継や事業再生の資格を取りたい」という相談を受けることがよくあります。

中小企業の事業承継や事業再生の実態について調べた際、さまざまな資格があることに驚きました。

この領域には国家資格がないため団体が乱立しており、講座や資格の内容も良く分かりません。講座を受講し、試験に合格すれば、〇〇承継士とか〇〇再生士というような、士業っぽい肩書を与える団体もあります。

そこで、実際にいくつか受講してみることにしました。

今回は「事業承継やM&Aの資格を取りたいと思っているけど、どんな資格を取ったら良いのかよくわからない」という方のために、私が調べ、実際に経験した内容をお伝えしようと思います。

取得には10~30万円の講座受講が必要

M&Aや事業承継・再生に関する資格は、まず2日~1週間程度、時間にして15~30時間程度の講座を受講し、最終日の試験に合格する必要があるものがほとんどです。

受講料は10万円~30万円程度と安くはありません。更に試験に合格しても、協会に入会しなければ資格を名乗れないものもあります。中には、毎年一定数以上の講座受講が必要だったり、年会費を支払わなければ資格更新が出来ないものもあります。

名刺に肩書は書けるけど

金融の世界にいる人ならば、M&Aアドバイザーに資格がないことはご存じだと思います。M&Aの際に資格が必要となるのは、国家資格を持つ弁護士や税理士であり、彼らがどこの事務所で何の専門家なのかということだけです。

しかし、独立した経営コンサルタントや士業で組織に属していない専門家にとっては、名刺に「M&Aアドバイザー」とか「事業再生マネージャー」等を肩書として持っていることが良い場合もあります。

30時間程度の受講で取得できる民間資格の肩書はほとんど意味がない、書くのも恥ずかしいという方もいるでしょうが、中小企業を専門として仕事をしている人にとっては、この「ハッタリ」が意外と役に立つこともあります。

実際、 私が某県で公的機関のアドバイザーになる際、「名刺に書ける肩書があれば何でも書いて下さい」と言われたので、M&Aアドバイザーという「なんちゃって」資格を名刺に書いていました。

するとある時、信金の専務との名刺交換で「伊藤さんはM&Aのプロなんですか、すごいですね」と言われ驚きました。

最初は、冗談かなと思ったのですが、お話を伺うと、M&A業務についてはほとんど知識がなく、本心からお話しされているようでした。

M&Aアドバイザーには公的資格などありませんが、この時初めて、地方銀行がM&Aシニアエキスパート資格の取得を新聞等でアピールしている理由がわかりました。名刺に、M&A関連の肩書があれば、それらの業務に関わる機会が少ない地方金融機関や企業では、「M&Aの専門家」として、一目置かれるのだろうと思います。

確かに、30時間といえども専門的な勉強をしているわけですし、その業務に精通しているなら、「民間資格だから取得しても意味がない」というわけでもないでしょう。M&A業務に専門的に関わり、知識もあるということを示す点では、こうした資格にも意味があると思います。特に地方には、M&Aが理解できる弁護士や税理士は少ないので、こうしたアドバイザーは貴重な存在かもしれません。

広がるネットワーク

民間資格は、認定する団体の信頼度や講義内容だけでなく、その団体のネットワークの広さや、実際に仕事に繋がりそうかどうかで決めるのが良いと思います。

講座の受講者数や、講師や受講生、OBと交流する機会が多いかどうかは大事です。講義の出席者や講師が受講期間中や受講後も集まる機会があれば、交流を通じて仲良くなれます。その中で、「この人と一緒に仕事がしたい」と相手に思われれば、何かの機会に声をかけてもらうことができるでしょう。

中小企業診断士の資格を取った人が協会に所属する理由も、こうした交流の機会が多いからです。診断士協会では多くのイベントが企画され、勉強会も数多く催されます。こうした交流の機会を通じて知り合った仲間に仕事をお願いしたり、紹介してもらったりすることがあります。(現在ではコロナ禍の影響でWEB等を利用したリモートが中心になっていますが)

資格を取る最終的な目的は、仕事につなげるということです。その意味では、中小企業診断士の資格よりも、交流する機会が多い民間資格があれば、費用対効果は良いかもしれません。  

そこで次回以降、実際にいくつかの資格講座を受講した結果から、中小企業診断士や経営コンサルタントにとって、比較的役に立つのではと思える資格や講座を紹介したいと思います。

⇦ 代表プロフィールを更新しました

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です