脱サラしたけど仕事がない~新現役交流会(1)

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独立は誰でもできる

会社を辞めることを決めると、「これから新しい未来が待っている」、「誰にも束縛されずに好きなことで生きていこう」と、とても気分が高揚します。

「そんなに稼げなくても良い、楽しく人生が送れれば」と脱サラして会社を設立すると、一国一城の主のような気がして嬉しくなります。

ただ、ここまでは誰でもできる話。問題はここからです。

20代や30代であれば、「これがやりたい!」という情熱に任せて起業できます。しかし、大企業に勤めていた50歳以上の人には分別があるはずです。リスクを考え、下調べをして起業したはずですが、分別あるはずの人が、起業する際には、明るい未来しか考えないことも多いのです。

実際には、シニアの起業は、自分がこれまで関わってきた仕事の延長のようなことが多いと思います。例えば経営コンサルタント的な仕事です。
経営コンサルタントとして新たな一歩を踏み出したつもりでも、実際にはほとんどの人が、思うように仕事が取れません。

最初は昔の会社のつながりで、仕事をくれる人もいるかもしれませんが、相手もサラリーマンです。転勤でいなくなってしまうこともあるでしょうし、あなたの会社に信用力がなければ、上司に取引を中止する様指示されるかもしれません。つまり、どんなに仲が良かった相手であっても、会社を辞めた後も以前と変わらず付き合える人はそれほど多くはありません。

世の中には、独立するための心構えや、会社を設立する方法を教えてくれるコンサルタントや起業アドバイザーはたくさんいます。しかし、実際にどうすれば仕事が取れるかを教えてくれる人はあまりいません。

「仕事を獲得するノウハウを教えます!」というセミナーもありますが、参加するには数十万円を投資しなければならないものが殆どです。中には素晴らしいものもあるのでしょうが、「これで50万円?」と思うようなセミナーもすくなくありません。

横浜市の起業アドバイザーとして起業家の支援をしていた際、相談に来られる方の中には、こうしたセミナーに出席して高い参加費を支払っただけでなく、勧められるままに、商品を購入している人もいました。また、「起業のために借入したい」という人の中には、融資申込書の資金使途として「セミナー代金50万円」があげられていることもありました。

会社を辞めることはいつでもできます。また独立して会社を作ることも誰でもできます。しかしサラリーマンと違い、独立すれば自分で仕事を見つけてこなければなりません。昨日までは、決まった日に決まった金額が振り込まれていたかもしれませんが、これからはそんなことはありません。退職金が入って、なんとなく余裕ができたように感じても、そんなお金はあっという間に生活費で消えていきます。

リタイヤして税理士や中小企業診断士の資格を取得しても、企業があなたにコンサルタントを頼む理由がなければ、仕事は絶対に増えません。

私は、ファンドが投資する企業での経営者や経営アドバイザーとしての仕事を長く行い、今は中小企業にもその仕事の領域を拡大しています。しかし、同じ経営支援的な仕事であっても、大企業と中小企業では全く仕事の受け方が異なり、最初は中小企業へのアプローチに随分苦労しました。

そのような経験も踏まえ、ここからは、脱サラして自分でコンサルタントやアドバイザーとして中小企業経営に関わりたいような人のお役に立てるような情報をお伝えしたいと思います。

マネジメントメンター 制度

これから脱サラしてコンサルタントとして独立したいとか、独立したものの、なかなか中小企業との接点が持てないという方もいると思います。

そういう方は、一度、経済産業省が地域中小企業のために行っている、マネジメントメンター制度に登録してみてはいかがでしょうか。(☞マネジメントメンター制度

マネジメントメンターとは、これまで企業で働いてきた方が、その豊富な実務経験、専門知識、人的ネットワークなどを活かして、高度・専門的な経営課題を抱える中小企業の支援を行うものです。経済産業省関東経済産業局のデータベースに登録された人のことをマネジメントメンターと言います。

マネジメントメンターに登録されると、関東経済産業局と地域の支援機関が共催する「新現役交流会(企業との個別面談会)」への参加申込みが認められます。

新現役交流会というのは、経営課題を抱える中小企業とマネジメントデータベースに登録された豊富な実務経験や企業経営に関する知見を有する企業OBとのマッチングを支援するイベントです。

小規模事業者や中小企業は、優秀な人材の採用や高額な外部コンサルタントに依頼して経営課題の解決を図ることができません。

こうした問題を解決するために、関東経済産業局と金融機関・商工会議所等が連携して「社内人材で解決できない経営課題を抱えている」、「実務経験豊富な専門家と出会いたい」、「社内入り込んで支援してくれる人を探している」といったニーズを持つ中小企業を支援するために、新現役交流会というイベントを関東近県で行っています。

令和2年度はコロナ禍の影響がありながらも、WEBを積極的に活用して、15回の交流会が開催されました。

参加企業の課題と登録方法

新現役交流会に参加する小規模事業者や中小企業は、各金融機関の取引先です。これらの企業が抱える「販売・マーケティング」、「生産管理」、「人事・労務管理」、「法務・知財」、「経営企画・戦略立案」、「海外進出」といった課題に対し、解決を手助けできると考えたマネジメントメンターが参加を申し込み、企業側が会って話を聞きたいと思えば面談がセッティングされます。

交流会に参加する企業数は、少ない時で20社弱、多い時では50社近くになります。因みに今月開催が予定されている交流会には、複数の信用金庫から対面とWEBで47社の参加があるようです。

マネジメントメンターとして承認されると、交流会の日程がメールで送られてきます。そして交流会の1カ月前には、参加企業とそれぞれの企業の具体的な課題や支援依頼内容の一覧が届きます。その中で、メンターが解決できそうな課題があれば、自らの経歴や業績を記入して、面談を希望する企業を3社選び、選んだ理由と支援を行う際の条件(日数、期間、報酬条件)等を記載した申込書を事務局に送付します。

メンターから送られてきた申込書を、事務局と企業側が見て、どのマネジメントメンターと面談するかを決めます。

では、マネジメントメンターとして登録するにはどうすれば良いのでしょうか。

メンターとして登録するには、関東経済産業局に登録申請を行うことが必要です。申請書を記入して、内容に問題がなければ2週間程度で登録の可否がメールで送られてきます。

マネジメントメンターの登録要件は下記の通りです。基本的には50歳以上で企業を退職した人や退職する予定の人であれば登録できると思います。

  1. 企業などを退職された方や近く退職を予定している方
  2. 中小企業の限られた経営資源の実態を十分に理解し、中小企業の課題解決に真摯に向き合い、自己利益より中小企業支援の観点を重視するボランティア精神のある方
  3. 新現役交流会の趣旨を理解し、開催機関の指示に従い、関係者と協調して中小企業支援に取り組むことができる方
  4. 1つの専門分野で通算してほぼ10年程度の経験があり、実務支援能力が十分に発揮できる方
  5. 登録時点の年齢が50歳以上の方
  6. 支援実施に際し、健康上の支障がない方
  7. 反社会的勢力でない方

※登録要件を満たしていないことが判明した場合、登録を解除されることがあります。

尚、令和元年から、マネジメントメンターに有効登録期間(3年間)が設けられたため、期限毎に更新が必要です。

 

⇨ 脱サラしたけど仕事がない~新現役交流会(2)

⇦ 脱サラしたけど仕事がない

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