小さな会社のValue~どのような価値感を持ち、考え、行動するか

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求める価値観

最後にValue(バリュー)です。Valueは、MissionとVisionを達成するために、社員全てが共有すべき価値観であり、企業の行動指針となるものです。Valueを創る際の質問は、「Mission、Visionを達成している組織はどのような価値観で仕事を行い、社員はどのように行動しているか」というものになります。

Valueでは、経営者が最も大切にしている価値観や行動を明文化します。たとえ今の時点ではそれができていないとしても、「こうなりたい」、「なるべき」、「ならなければならない」ことをイメージして創ってください。

「私たちは地域のお客様のために誠実に働きます」とか、「いつも明るい挨拶と感謝を忘れません」といったようなものをValueとする企業がありますが、こうしたありきたりの言葉はValueとしてはふさわしくありません。Valueは、もっと自分たちの事業に直結する「あるべき姿」「なりたい姿」をイメージして決めて下さい。

Y社では、Mission、Visionを考える中で、「常にピカピカのボックスにお届けします」とか「常に昨日の笑顔を超える、最高の笑顔でお客様に挨拶します」といった言葉が出てきました。同社の現状から考えると、MissionもVisionも「できるわけない」と笑われるようなものかもしれません。しかし、それらを達成するために、経営者や社員がどのような行動をしなければならないか、その具体的な行動をValueとして下さい。

図表 :Valueの創り方

 

後継者候補と議論する

Mission・Vision・Valueは企業の業績を左右します(☞ 経営ビジョンと業績の関係を参照)。これからMission、Vision、Valueを新たに作る企業では、幹部や将来を担う社員と共に創ることをお勧めします。中小企業の場合、幹部や社員を交えるのが難しければ、将来、事業を承継する親族を入れると良いと思います。

Y社では、事業を継ぐ長男と現社長が共に未来を考えて真剣に創りました。普段トップダウンで物事を決めている中小企業が、複数名で議論するのは慣れていないこともあり、なかなか難しいですが、そのような時は、外部のコンサルタント等の力を使うとうまく議論を進められるかもしれません。

Y社の場合は、親子で意見がぶつかることも多々ありましたが、こうして同社としては最高のMission、Vision、Valueが出来上がり、経営者も後継者もその達成に向けて日々努力するようになりました。

例え、現在の組織がどのようなものであったとしても、将来なりたい姿について社内、特に後継者候補を交えて議論することが重要です。経営者とは、知識や経験、生きてきた世代も異なるので、意見がぶつかるのは当たり前です。しかし、議論がぶつかればぶつかるほど、事業を引き継ぐ人と受け継ぐ人の想いが詰まったMission、Vision、Valueができるはずです。

 

⇨ 取材商法も凝ってきた

⇦ Missionが先か、Visionが先か

管理職のための KPIと財務【入門編】

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経営者や管理職は、攻めと守りの数字を理解する必要があります。「今月の売上目標は〇〇百万円を死守!」と気合を入れるだけでは目標は達成できません。目標を達成するためには、「何が達成の鍵で、それを何回ぐらい行えば目標に達するか」を理論的に数値としてはじき出す必要があります。

そして行動計画を作成する際は、その行動が利益につながるものなのか、かけるべきコストかどうか等財務や管理会計の基礎を理解しておく必要があります。

本書では、売上目標を達成するためのKSF(Key Success Factor)の見つけ方、行動計画への落とし込み方といった「攻めの数字」と、赤字でも販売すべき場合とはどのような場合なのか、大口の受注はどこまで値下げして受けるべきか等の「守りの数字(管理会計)」について経営者や管理職が押さえておくべき点を学ぶことができます。

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