PEファンド投資先の経営に携わる①

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ハゲタカと仕事する?

私は40代の前半で、ファンドが投資する企業の経営に携わりました。当時はPEファンドが世の中に正しく認知されておらず、「ハゲタカ」と呼ばれる等、どちらかというとネガティブなイメージしか持たれていませんでした。

当時と今ではずいぶんと環境が異なりますが、PEファンド投資先の経営者と一般企業の経営者とは何が違うのか、株主であるファンドとの関係はどういうものなのか等々、興味を持っている方の参考になるかもしれませんので、私がどんな経緯でファンドの投資先経営に携わるようになったのか、実際に経営ではどのようなことが起こったのか等についてお伝えしたいと思います。

私は銀行で、PEファンドを利用してある企業のMBOを実現しました。当時は、企業の経営陣と共にファンドを活用した建て直しを検討し、その建て直しができた後は、銀行を退職しようと決めていました。(理由は後述)

MBOを何とか無事に実現して銀行を退社した私は、次の仕事をするまでの間、この企業で事業計画の作成を手伝うこととなります。しかし、その後さまざまな事情でそのまま経営陣に加わることとなり、以来今日まで約15年間、数多くのファンドの投資先経営に携わってきました。

海外で仕事がしたい!

大学でアメリカンフットボールばかりやっていた私は、OBに強引に誘われ、フットボール部が強い銀行の面接を受けることとなりました。今では3つのメガバンクに集約されてしまいましたが、当時、大手町にはたくさんの都市銀行がありました。面接が終わった私は、せっかくビジネス街に来たのだからと思い、予約もしていなかった別の銀行の説明会を覗きに行きました。

会場では大きな画面でビデオ映像が流れていました。海外でプロジェクトファイナンスに取り組む銀行員の話です。その映像を見て、「世の中にこんな格好良い仕事があるのか」と衝撃を受けた私は、自分もこんな仕事がしたいと思い、その銀行の面接を受け何とか入れてもらえることになります。

銀行に入った私は、ことある度に「海外に行かせてくれ」と言い続け、4年目にインドネシアに駐在させてもらえることになりました。30年前のジャカルタは今と違い、日本の食材を売っている小さな店が1つしかなく、日本料理店も数件しかありません。小さな空港に着いて税関を出ると、金網の向こうに山のように人が張り付いてこちらを見ていたのを今でも鮮明に覚えています。

そんなインドネシアでしたが、外資規制の緩和が行われた後、街には高層ビルが建設され始め、日系商社が造成した工業団地では、日本企業の投資ラッシュが続いていました。

今考えると、毎日早朝から深夜まで、土日もない激務でしたが、自分が希望した海外での仕事です、楽しくて仕方ありません。そして当時としては異例の4年近く勤務した後にシドニーに異動します。シドニーは仕事も生活もインドネシアとは全く異なる環境でしたが、自分が憧れていたプロジェクトファイナンスにも関わることができ、3年間仕事をして転勤となります。

次はどこかと思って辞令を見ると、なんと国内の支店への異動です。当時、一度海外に出ると、あまりに長期間、国内に帰れないことを危惧した銀行が、海外勤務は通算7年間で帰国させるという規則を作ったためでした。そんなわけで、ちょうど7年の勤務を終えて帰国することとなりました。

配属先は国際部門と全く関係ない国内の法人営業部門です。実はこれも、国内拠点にも海外の人材を積極的に配属し、今後の国際化に対応したいという銀行の方針で、同時期に帰国した5名の若手社員は、全員国内の法人部門に異動となったのです。

しかし銀行の思惑は外れ、私を除く4名は帰国後半年以内に全員退職してしまいます。

まあ、辞めるのも当たり前です。海外と国内の仕事は全く異なります。当時、銀行の海外事業部門は「海軍」、国内事業部門は「陸軍」と言われ、今以上に働き方が異なっていました。

陸軍と呼ばれる国内営業は、気合と根性の職場です。国内支店に海外帰りの支店長が着任すると、副支店長以下が「あの人は何もわからないから」と陰で馬鹿にするような環境でした。

それでも支店長なら、部下をマネジメントできれば業績は上がります。しかし、課長でもない中途半端な立場で帰って来た若手は大変です。国内業務の知識はほとんどないにもかかわらず、中堅社員として高い目標を達成しなければなりません。「考えるよりも体を動かせ」という気合と根性の職場で、目標が達成できなければ上司から、「やっぱり海外帰りは使えねーな」とか言われながら、これまでの経験がほとんど役に立たない仕事を続けるわけです。

耐えられないのもわかります。

 

⇨ PEファンド投資先の経営に携わる②

⇦ 中小企業経営者には「やらない我慢」が大事

 

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