管理職の転職~「希望する報酬」とは

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特に「希望」はない

ここで言う管理職とは、取締役や執行役員、事業責任者といった経営に携わる人のことです。

社長になるにためには、社長経験や事業トップの経験が求められます。会社の規模に関わらず、会社の最終意思決定者となった経験や事業部門のトップ、或いは海外の現地法人の社長として意思決定を行なった経験等が重要視されます。

52歳でメーカーの役員を退任した時、次は普通の企業の経営支援がしたいと思ったものの、どのようにアプローチして良いかわからなかったので、付き合っていたエージェントに話を聞きに行きました。

当たり前ですが、エージェントから「次はどんな業種のどんな役職を希望しているのか」と聞かれます。長らく企業再生の仕事に携わる中で、与えられた企業の問題点を発見しその解決策として自分の役割をファンドと話しながら決めてきた私にとって、この業種が良いという考えはありませんでした。

起業の相談に来られる方に、『起業するには、「やりたいこと」「できること」「求められること」の3つが必要』という話をしている身としては、お恥ずかしい限りです。

そんなわけで、転職エージェントと面談しても、エージェントの質問に対して、先方が期待する回答をすることができません。

「どんな業種でどういう役職がいいのか」、「働く場所に制限はあるか」、「希望する報酬はどのぐらいか」等々。最初は「取り敢えず話を聞いて、経歴を見ているのに、なぜわらかないんだろう?」と思っていたのですが、何人かのエージェントに会ううちに、エージェントは、業種や職種がわからないと困るということが理解できると同時に、転職しようとする人が、最初から「業種」を決めていることに驚きました。

私はこれまで、金融、人材サービス、メーカーと全く違う業種で仕事をしてきましたが、マネジメントの役割は、問題を発見し、その解決策を考え実行するだけと思っていたので、これまでほとんど業種にこだわったことはありませんでした。自分のキャリアが随分と異質であることもこの時初めて気づきました。

誰が報酬を決めるのか

業種や役職もそうですが、希望する報酬金額というのもよくわかりません。エージェントと話していると、必ず今の仕事の報酬を聞かれます。しかし、それは今の仕事に対する報酬であって、新たな仕事の報酬を決めるのは仕事を与える側です。

今の仕事の報酬が、次の仕事をやれるかどうかの判断基準になるわけでないはず。年収30百万円もらっていたとしても、10百万円の仕事に面白さを感じるならば、やれば良いし、どうしても報酬に拘るなら今の仕事を辞めなければ良い。

それに、候補者の今の年収を考慮して、10百万円で募集している役職に15百万円出しますと言われると、じゃあなんで10百万円で募集をかけてるの?と思ってしまいます。

求職者にとって、今よりも報酬が下がると困る場合があることは理解できます。ただそれはあくまで求職者の希望であって、仕事の報酬を決めるのは採用する企業です。

日本では、役割に対して報酬が決まっている人事制度ではないため、雇用の流動化が進みません。ですから、「この規模の会社で、こういう責任の仕事なら、報酬は大体このぐらい」という水準がありません。

そんなわけで、エージェントからこうした質問をされるたびに、「企業が出しても周りと軋轢が生じない金額で良いです」と言ってきました。「企業の水準に合わせます」ということです。

でもそれは、エージェントにとってあまり良い答えではないようです。

日本では、権限と責任の重さによって報酬が決まるべきという当たり前のことを理解していない企業が多々あります。また経営者の報酬がなぜ自分たちよりも高いかを理解しない社員も非常に多いです。

そのような企業を再建する場合の報酬は、「周りと軋轢が生じない金額」にしておいた方が良いのですが、エージェントは金額を伝えてくれた方が、案件を探しやすいようです。

これから転職を考えている管理職の皆さんは、私のように御託を並べるよりも、今の報酬と、希望する報酬を素直に伝えた方が良いかもしれません。

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