転職エージェントと言われる人たち④

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エージェントの得意分野は異なる

転職エージェントには、それぞれ得意分野があるようです。

私はこれまで、採用する側としてもエージェントを利用してきましたが、例えば、経営人材を探す時と管理系の人材を探す時は、エージェントをそれぞれ変えていました。

経営人材を探す時は懇意にしているエージェントに依頼します。その理由は、こちらの企業が目指していることを良く理解していて、求めている人材もわかっているから。社風等も含めて企業にマッチする人材を探してくれるので、良い人に当たる確率が高まります。

経営人材を採用する際は、良く知っている人からの紹介や、能力や人柄がわかっているコンサルタントにお願いして行います。外資系のエージェント(サーチファーム)とお会いすることもありましたが、部長クラスの人材や大企業のトップクラスの人材はいても、日系の中堅企業が役員として採用できそうな人材はあまり持っていないようでした。

若手や管理部門の人材を採用する場合は、リクルートエージェントパーソルキャリアMSジャパン等を使っていました。このレベルの人材については、良さそうな人がいれば、積極的に面談のアレンジを依頼します。

私は前職の製造会社を辞めた時以降、数々の転職サイトやエージェントと面談する機会がありました。前回も少し触れましたが、現在の仕事の内容は、中堅・地方会社を中心に、その経営を支援したり、場合によっては代行する仕事です。支援は、単なるコンサルティングではなく、取締役や顧問兼アドバイザーとして会社の経営に深く携わるハンズオン形式の支援を行っています。

経営を支援する先は、過去に付き合ったファンド等から声がかかることもありますが、ファンド案件は、投資先の業種や規模、役員構成や地域がまちまちなので、私ができる仕事がいつも回ってくるわけではありません。

基本的には自分でも新規に仕事を探す必要があるので、転職サイトや紹介会社を使って支援機会がありそうな先を探すこともあります。

ただ、私のような変な経歴の人材が必要な企業は、どうしてもファンドの投資先のような再生・成長案件が多くなります。実際に転職エージェント経由でお声がけいただく場合も、ほとんどが私が付き合いのなかったファンドの案件です。

エージェントはどのように人材を探しているか

外資系エージェントや大手日系企業が経営人材を探す際は、リテーナーフィーと言う着手金を払うケースが一般的でした。

成功報酬型の場合、人材を探し面談し、その人が採用(或いは入社を受諾)しなければ、年収の3割を紹介手数料としてもらえません。しかし、経営層人材を探すには大変な労力もかかります。

人材を探すために努力しても、途中で会社から「やっぱり良いです」と言われてしまうと、これまでの努力が水の泡です。このため、エージェントが本気で力を入れて人材を探すために、成功報酬の何割かを着手金として払ってもらうわけです。

本来企業は、たくさんのエージェントに案件を依頼した方が、良い人材が採用できる可能性は高くなります。しかし、こうした着手金をいくつもの転職エージェントに払うわけにはいきません。

ですから、どうしても限られたエージェントに案件を依頼することになり、結果的にそれが、外資系や過去に実績が高いエージェントになるというのが一昔前のハイキャリア人材の転職市場の状況でした。

しかし、昨今は少し事情が変わってきています。ファンドによる投資が一般的になってきたことから、経営層のニーズが随分と高まってきています。しかし、ファンドはこうした手数料を払うのを嫌がります。このため、多くのエージェントが着手金を取らずに人材を探すようになりました。

このため、複数社に案件がばらまかれるようになってきており、例えばハイキャリアが多いビズリーチキャリアカーバーのようなサイトには、同じ案件が、たくさんの紹介会社から掲載されています。

企業サイドからすると、このような変化はウエルカムですが、求職者の立場からすると微妙です。

従来は、エージェントが自分のネットワークで探してきた人を企業に紹介していました。しかし今では、転職サイトに登録した人の中から、案件に合いそうな人を紹介会社が探し出してアプローチし、面談後すぐに企業に紹介するという、流れ作業のようになっています。

従来と比較すると、求職者の扱いや紹介の仕方が「雑」になってきているなあと感じます。

だから、企業のニーズにマッチしなかったり、こちらの条件と合わずに断った場合は、そこで付き合いは終わりになることが多いです。

その後も引き続きフォローしてくれるエージェントもいますが、結構その場限り、案件ベースで単発のエージェントも多いです。

そういう人が、何か月かして、再度転職サイトのスカウトでアプローチしてくるなんてこともあります。エージェントは、過去に私と面談したことなどすっかり忘れているので笑っちゃいます。

こうしたことからわかるように、「自分のキャリアをずっとサポートしてくれる」というアメリカのヘッドハンターのようなイメージは、今の日本にはあまりありません。あってもごく一部の人だけでしょう。

しかし良く捉えれば、ごく限られた人だけにしか開かれていなかったエグゼクティブの転職機会が、多くの優れた経歴を持った人に開かれるようになったと言えるかもしれませんね。

 

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