管理職の転職~「自分ができること」の確認

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まずは「できること」の棚卸し

前回、「職務経歴書には、自分がやりたいことと、できることを書くべし」というお話をしました。そのためには、できることや、やりたいことを棚卸する必要があります。30年も同じ会社で働いていると、数多くの業務を経験しているはずです。途中で転職した人や、関連会社に出向して全く専門外の仕事を経験した人もいるはずです。

50代で転職する場合、若い頃の転職経験はあまり役に立ちません。20代、30代での転職と50代の転職では、求められることが違うからです。

最近では企業の定年も60歳→65歳に伸びつつありますが、それでもあと数年で定年になる50代が企業に転職する場合は、企業に「当社にはこういう人が必要、採用したい!」と思わせなければなりません。

その為にも、自分ができることの棚卸作業をしっかり行う必要があります。

企業に求められる「できること」の棚卸作業はとても大事です。しかし、大企業で管理職にまでなった人が、「求められること」と「できること」だけで転職することはお勧めできません。

今の企業に勤められるのが数年だとしても、人生は未だ数十年続きます。「定年になれば、預金と年金で暮らす」という人は別ですが、多くの人は、定年になっても働きたい、働かなければ生活できないと感じています。

下の図は内閣府が60歳以上で仕事をしている人に対して、「何歳まで収入を伴う仕事をしたいか」と聞いた結果です。雇用延長等で働いているような人も含めて、42%の人が、働けるうちはいつまでも働きたいと回答しています。

また、「働けるうちはいつまでも」と回答した人を含め、約6割の人が、75歳以上まで働きたいと思っていることがわかります。

 

伊能忠敬もカーネルサンダースも

50代の時に「定年になったらのんびり暮らしたい」と言っている人でも、実際に定年を迎えると、「まだまだ働きたい」と思うのでしょうね。

先行きの生活に対する不安も働く理由のひとつでしょうが、人生100年時代と言われるように、今の60歳は、20年前と比較すると肉体的にも精神的にも若いというデータがスポーツ庁の調べでも明らかになっています。

50代半ばの人ならば、75歳まではあと20年。新卒で入社してから40代半ばになるぐらいまでの時間があります。もちろん気力、体力はその年代には及びませんが、仕事の経験値は遥かに高いわけです。そのような人が、これからの20年間で何をやるかは、真剣に考えるべきと私は思います。

今から280年近く前に生まれた伊能忠敬は、49歳で隠居した後、55歳から17年をかけて全国を測量し、「大日本沿海輿地全図」を完成させました。

130年前の今日、1890年9月9日に生まれたカーネル・サンダースが、ケンタッキー・フライド・チキンのフランチャイズ展開を始めたのは 62歳の時でした。

この2人は普通ではないかもしれませんが、今では普通の人の平均寿命も当時と比較するとはるかに長い84.1歳になっています。普通の50代であっても、まだ何かを成し遂げられる時間が20年以上あるわけです。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、これから20年働こうと思うなら、「自分ができること」、「社会に求められること」以上に、「自分がやりたいこと」をやるべきだと思います。

定年後は週に2~3回アルバイトとして働きながら、趣味の世界に没頭するという生き方も素敵です。その人には、趣味という明確な「やりたいこと」があります。

特に趣味もなく、会社に不満を持ちながら長年働き、定年間近になっても 「やりたいことは特にない」という人が、これからの20年間をどのように過ごすのか。

この長い時間をどう使うか、真剣に考えて欲しいと思うわけです。

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