管理職の転職~何から始めるか

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52歳でお役御免

私は52歳で前職を退社し、独立することになったのですが、元々は起業したいと思って会社を辞めたわけではありませんでした。銀行を退職して10年間でファンド投資先2社の経営に携わりましたが、2社目の企業をExitした後も、その会社に残りました。

しかし、経営者は強い株主がいなくなると、自分の考えを強く出す様になり、目指す方向もこれまでとは変わります。上場企業であっても、株主よりも自分のやりたいことの方を優先し、周りの意見は聞かなくなります。

そんなわけでお役御免になったため、次の仕事を探さなければならなくなりました。

会社を辞めたのはこれが最初ではありません。新卒で入社した銀行を辞めてファンドと一緒に働くことになった時、そして、最初の投資先をExitして次の投資先ん移った時と2度の転職機会がありました。

しかし、いずれも自ら転職活動をしたわけではなく、先方からの強い要請を受けて移ったため、3度目の転職で、初めて自分で仕事を探すことになったわけです。

実際にはどこかの企業への転職ではなく、別のPEファンドのアドバイザーとして「起業」することになったのですが、これも積極的な起業ではなく受け身の起業でした。雇い主のファンドからアドバイザーフィーをもらうためには、法人を設立するか個人事業主になる必要があったからです。

こんな経緯でしたので「起業するぞ!」と思って起業したわけでもなく、胸を張って「私は起業しました」といえるようなものではありません。

転職活動をしてみる

転職活動をすることになったものの、何から始めて良いのかよくわかりませんでした。私は人材紹介会社の役員でしたので、普通の人よりは転職支援に関する知識があります。しかし、人の転職を支援することと自分が実際に転職することはやっぱり異なります。

10年間ファンドと一緒に仕事をしてきましたが、次も同じような仕事をするつもりはありませんでした。ファンドの投資先で企業の建て直しを経験したので、今度はその経験を、一般事業会社で活かしてみたいと思いました。

30年も仕事をしていると、それなりに人脈はできます。しかし天邪鬼なのか、よく知っている人の世話になるとか、お願いすることが好きではありません。多分、変なプライドがあるからだと思います。とにかく人に借りをつくることが嫌なのです。めんどくさい性格だと我ながら思います。

まずは自分で直接企業にアプローチすることにしました。そこで、これまで自分がやってきた、老舗企業で経営を再構築して成長軌道に乗せるという仕事ができそうな企業をいくつか自分でピックアップし、プロフィールやリファレンス先を同封して、ターゲットとして選んだ企業の社長に直接アプローチをしました。

しかし、企業の社長とは全く面識はありません。紹介されたわけでも会ったこともない人間から突然アプローチされることはウエルカムではないようで、全ての企業から丁寧にお断りされました。

もちろん、こうしたアプローチを好む経営者もいると思いますが、 今考えると、老舗で経営がちょっと傾いている中堅・大企業では、このようなアプローチは、まあ受け入れられないだろうなあと自分でも思います。

そこで、仕方がないので、ヘッドハンティングの会社やエグゼクティブ向け転職サイトに登録することにしました。

職務経歴書を準備する

こうした登録をする際は、履歴書と職務経歴書を準備しなければなりません。 私は銀行に勤めていた時から、自分の履歴書と職務経歴書を正月にアップデートしていました。

その理由は、自分が1年間やってきたことを振り返るためです。過去の仕事を振り返り、自分が職務経歴書に書けるような仕事をしたかどうかを見直すことは大事です。毎年、自分がどんな仕事をして、どのようなものに貢献し、何で失敗したのか、それが自分の将来にどうつながるかを考えるために、職務経歴書のアップデートはとても役に立ちます。

もうひとつの理由は、ファンドの投資先ではいつ辞めることになるかわからないからです。株式が売却されれば、その事業の経営者を選ぶのは次の株主です。投資先が売却されれば退任するという契約になっているため、次の仕事に向けて最低限の準備はしておかねばなりません。

人材紹介会社のCFOをしていた時は、新卒や中途採用面接で、毎年100~200名の履歴書や経歴書を見る機会がありました。書類の書き方は、人によって様々ですが、書き方ひとつで受ける印象はかなり変わってきます。

WEBでは履歴書や経歴書の書き方についてアドバイスしているサイトもあります。何をどのように書くか、どのような構成にすれば良いかは、そうしたサイトを見れば詳しく説明してあります。例えば、リクルートエージェントのサイトには、書き方だけでなく、職種別の見本も載っているので、職務経歴書を全く書いたことがないと言う人は一度見てみると良いと思います。

しかし、書き方がわかっても、実際に自分が何を書けば良いのかわからない人もいると思います。

職務経歴書は、見る人に自分をアピールするツールです。20代、30代とは違う、30年間の経験や実績が、相手にとって価値があることを伝えなければなりません。単に経歴を良く見せるということではなく、自分が何をやりたいか、何ができるかを相手に伝え、それに価値を感じてくれる企業を探す必要があります。

次は採用する側と採用される側、両方での経験を基に、エージェントやサイトの選び方やその裏側、大企業とは異なる、ファンドの投資先やオーナー企業、中堅・中小企業の実態、起業する場合の準備等々についてお伝えしていきたいと思います。

 

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