理想のリーダー像~問題の発見、解決のための意思決定

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リーダーの資質

理想のリーダーというと、どんな人が思い浮かぶでしょうか。

つい最近、時価総額1兆ドルを達成したテスラやスペースXの創業者のイーロン・マスク、マイクロソフトの共同経営者のビル・ゲイツ、iPS細胞の作製でノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授、、、日本ハムファイターズの新監督に就任した新庄剛志氏も「実はすごいリーダーでは」と話題になってますよね。

嘗て、リーダーは「常に先頭に立ち、皆を正しい方向に引っ張る不屈の精神を持った熱い人」というイメージを持っていました。社会人になってインドネシアで初めてマネージャーとして4名の部下を持った時は、自分が理想とするリーダーになろうと張り切っていました。しかし、宗教も生活習慣も違う国で、当時の日本的な仕事のやり方は受け入れられません。更に、その文化的な違いを理解していないがために、相手を思って行ったつもりでも、それが全く伝わらなかったり、指示したことが異なる解釈をされたりという毎日です。チームを間違った方向に導いてしまったことは数知れず、随分と周りに迷惑をかけたに違いありません。

それから30年近く経ち、銀行の管理職や企業の経営者として、数多くの経済界のリーダーと関わる中で、リーダーに対するイメージも少しずつ変化していきました。常に先頭に立ち、皆を正しい方向に引っ張る不屈の精神を持った熱い人の中には、もちろん素晴らしいリーダーがいますが、そうしたものを表に出さずに静かに目的を達成しているリーダーや、遊んでいるように見えるのに、何故か組織や団体の目標が達成できてしまうリーダー等々、リーダーにはさまざまなタイプの人がいることに気づいたからです。

観察できることがリーダーの最も重要な資質と言う人もいます。観察できる人は、組織の中で誰が悩んでいるか、楽しんでいるかがわかります。それば確かにリーダーの資質のひとつですが、それだけでは十分ではありません。リーダーに求められることは、目標を達成するための意思決定ができるかどうかです。単に観察するだけではなく、その中からさまざまな事象や問題を発見し、解決策を考え、それをやり遂げること。リーダーにはこうした能力が求められます。経営者であれば、景気の動向や企業の不祥事、コロナ禍で顧客が来ない等々、さまざまな想定外の出来事が連続して起こる中で、状況を冷静に判断し、企業を守り成長させるためにやるべきことを判断して実行できなければなりません。

意思決定ができること

アメリカの財界や経済界で成功しているリーダーには、アメリカンフットボールのヘッドコーチや選手経験者が数多くいます。日本でも、経営者にはラグビーやサッカー等の球技経験者が多いようですが、こうした球技は、意思決定の連続です。アメリカンフットボールのヘッドコーチは、選手の特長や能力を活かせる攻撃や守備の陣形やプレーを考え、試合中に相手の戦術を先読みしながら必要に応じてプレーや選手を入れ替えます。選手や相手チームの状態を見極めるには観察力がなければなりません。目まぐるしく状況が変わるゲームの中で、無数の選択肢の中からプレーを選択し、決められた時間内でチームを勝利という目標に導く。アメリカンフットボールだけでなく、ラグビーやサッカーのような競技で、数多くの意思決定を行ってきたからこそ、経営者としても成功する人が多いのかもしれません。

理想のリーダー像は人によって異なります。熱い心を持ち、部下を叱咤激励して共に汗を流せる人、常に冷静沈着で事実に基づいて行動し、決して感情的にならない人、周りの話をよく聞きじっくり考えてから動く人、部下と友達のように付き合うことを大事にする人、社員が働きやすい環境作りに力を入れる人、等々さまざまです。彼らが持つ感情を抑える力、観察力や洞察力、コミュニケーションスキルや対人交渉力等々はリーダーとして必要な資質や能力です。

しかし、そうした能力があるれだけでは「リーダー」とは言えません。リーダーに求められることは「意思決定」です。重要な局面で意思決定ができるかどうか、たとえそれが間違っていても決められること。それがリーダーに求められる能力です。いつまでたっても決められない、決めたことに対して責任を持てない人はリーダーではありません。

「理想のリーダー」とは、意思決定を行い、最後には結果を出す人です。プロセスだけでなく結果を出せる人。年功序列、実力主義、ワークライフバランスや働き方改革等々、どんなに働く環境が変わっても、その環境下で最善と思われる意思決定を行い、結果を出し続けることができる人が理想のリーダーです。

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