理想のリーダー像

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リーダーの資質

理想のリーダーというと、どんな人が思い浮かぶでしょうか。

西郷隆盛?、ジャック・ウェルチ?、稲森和夫?、最近では吉村洋文大阪知事なんかも人気ですね。

一昔前まで、リーダーには、「常に先頭に立ち、皆を正しい方向に引っ張る不屈の精神を持った熱い人」みたいなイメージを持っていました。

入社4年目で初めてチームリーダーになった時、イメージするリーダーのようにマネジメントをしようと思って張り切っていました。しかし、宗教も生活習慣も違うジャカルタで、自分のマネジメントスタイル(らしきもの)はなかなか受け入れられません。

自分なりに正しいと思ってやったことが実は正しくなかったり、相手のことを考えて指示したことが異なる解釈をされたりという毎日です。チームを間違った方向に導いてしまったことは数知れず、不屈の精神力なんかもありません。随分と周りに迷惑をかけたに違いないと反省しきりです。

それから30年近く経ち、銀行で多くの経済界のリーダーと関わり、また自分でもいくつかの企業で経営に携わる中で、リーダーに対するイメージも少しずつ変化していきました。

常に先頭に立ち、皆を正しい方向に引っ張る不屈の精神を持った熱い人じゃなくても素晴らしいリーダーはたくさんいる、リーダーにはさまざまなタイプの人がいることに気づいたからです。

因みに「リーダー」と言っても学校の班長や企業の課長等、様々な人がいますが、私がここで言う「リーダー」とは自分で権限と責任を持って組織を牽引している人のことです。具体的には国や企業、事業部門のトップのことです。

ある大学院の教授によると、「観察できること」がリーダーの最も重要な資質らしいです。観察できる人は、組織の中で誰が悩んでいるか、楽しんでいるかがわかります。そう言う意味では「観察できない、人に興味がない」という人は確かにリーダーには不向きですし、部下の状態を把握できない人が組織をうまく運営することは難しいでしょう。

この教授の話は、マクドナルドの元店長が話している管理方法と同じですが、権限と責任が限定的なリーダーであればそれでも良いのでしょうが、権限も責任も無制限の国や企業のリーダーの資質としてはどうかと思います。(☞経営理念とES【従業員満足】、CS【顧客満足】との関係

観察できることはリーダーの資質のひとつではあっても、最も重要な資質だとは思いません。リーダーに最も重要な資質は、チームの目標を達成に導くための意思決定ができるかどうかです。

単に観察するだけではなく、観察して、事実を探し出し、その中からいくつかの解決策を考え、どれを選ぶかという意思決定を行い、最後までやり遂げる。それがリーダーには求められます。

マクドナルドの店舗のように、やるべきことが決まっていて、その範疇で店長が社員やアルバイトを管理しながら業績を上げていくという仕事であれば、観察できることでリーダーは務まるかもしれません。
最も大事なことはスタッフがしっかりと働いてくれることであり、顧客がサービスに満足できる環境が作れているかどうかを常にチェックすることだからです。

しかし、店長ならばそれで良いかもしれませんが、マクドナルドの社長は、それだけで会社の業績を上げることはできません。

社長が会社を経営する時、そこには店舗のようなマニュアルはありません。経営者はマニュアルを作る立場であって、基本的にはマニュアルに従って店舗を運営する店長とは異なります。

社長は景気の動向や不祥事、コロナ禍で顧客が来ない等々、さまざまな想定外の出来事の連続の中で状況を判断し、会社を伸ばすため、守るためには何をやるべきかを瞬時に決断していかねばなりません。

意思決定ができること

スポーツの世界で成功した人が経済界に於いてもリーダーとして成功するケースも少なくありません。アメリカでは、フットボールのヘッドコーチや選手経験者が企業のリーダーとして成功しているケースを多く見うけます。

フットボールは意思決定の連続です。 ヘッドコーチは、選手の特長や能力を活かせる攻撃や守備の陣形とプレーを考え、試合中に相手の戦術を先読みしながら必要に応じて選手を入れ替えます。

選手や相手チームの状態を知るには、当然、観察力がなければなりません。目まぐるしく状況が変わるゲームの中で、無数の選択肢の中からプレーを選択し、決められた時間内でチームを勝利という目標に導く。アメリカンフットボールは、正に意思決定の連続のようなゲームです。

こうした局面を数多く経験し、トップとして意思決定を行ってたコーチや選手だからこそ、経営者としても成功する人が多いのだと思います。

理想のリーダー像は人によって異なります。熱い心を持ち、部下を叱咤激励して共に汗を流せる人、常に冷静沈着で事実に基づいて行動し、決して感情的にならない人、周りの話をよく聞きじっくり考えてから動く人、部下と友達のように付き合うことを大事にする人、社員が働きやすい環境作りに力を入れる人、等々さまざまです。

感情を抑える力、観察力や洞察力、コミュニケーションスキルや対人交渉力はリーダーとして必要とされる資質や能力ですが、それだけで「理想のリーダー」になれるわけではありません。

企業は目的を掲げ、その目的に向かって目標を設定します。「目的」は組織のミッションや存在意義であり、「目標」はビジョンのようなものです。

企業のリーダーは、こうしたミッションやビジョンを掲げ、その達成に全力を尽くす人です。そして、さまざまな問題に直面しても、常に正しい意思決定を行い、最終的には目標を達成する、それがリーダーには求められます。

リーダーの資質として特に重要なことは「意思決定ができること」です。

結果的にそれが間違っていても、重要な局面で意思決定をすることができるかどうか。それこそがリーダーに求められる役割です。いつまでたっても決められない、自分で責任を取れないような人はリーダーではありません。

そして「理想のリーダー」とは、常に正しい意思決定を行い、最後には結果を出す人のことです。

傍から見ていて「あんなリーダーの下では働きたくないなあ」と思われるような人であっても、その組織が目標を達成できているならば、その組織を率いる人は優れたリーダーです。

逆に、どんなに人柄が良く、人格者であっても、結果が出せない人は理想のリーダーとは言えません。

「理想のリーダー」には、プロセスだけでなく、結果を出すことが求められます。

年功序列から実力主義、ワークライフバランスや働き方改革等々、どんなに環境が変わっても、常にその環境に対応して最善の意思決定を行い、結果を出し続けることができる組織のトップ。それが経営に於ける理想のリーダーだと考えます。

 

⇨ 中小企業が「考える社員」を育成するために

⇨ 経営理念とES【従業員満足】、CS【顧客満足】との関係

⇦ 社員を生産性とアウトプットで評価するために企業が行うべきこと

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