今さら聞けない財務と数字の話㉗~損益分岐点

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損益分岐点

前回は売上が10%下がった場合の営業利益を計算しました。図表1で売り上げが10%増加した場合の計算をしてみます。

 

図表1: 売上が10%アップすると営業利益はどうなるでしょうか

 

まず、売上原価と販売管理費を変動費と固定費に分類します。前回の復習になりますが、売上にある程度比例して増減する費用のことを「変動費」、売上の増減に影響を受けない費用のことを「固定費」といいます。図表2が売上原価と販管費を変動費と固定費に分類した表になります。

売上が10%増加して1,100となった場合、変動費は売上に伴って同じ割合で変動しますので、1,100×60%=660となります。固定費は売上の増減に影響を受けないため、350のまま変わりません。

このため1,100-660-350=90となり、売上が1,100百万円に10%増加した場合の営業利益は90百万円と80%増加することになります。

  

図表2:P/Lを変動費と固定費に分類する

  

売上に対する変動費の比率と固定費の金額がわかれば、営業利益の計画を立てることができます。図表2を計算式にすると、『売上-(売上×変動費率)-固定費=営業利益』という式が成り立ちます。

この計算式を知っていると、営業利益がゼロになる場合の売上の金額もわかります。この金額のことを、「損失と利益の分かれる点」という意味で、「損益分岐点」と言います。

営業利益を求める計算式は、『売上-(売上×変動費率)-固定費=営業利益』でした。損益分岐点とは営業利益がゼロになる売上です。変動費率と固定費の金額はわかっているので、それを計算式に当てはめてみると、下記の通りになります。

売上 - (売上 × 0.6) - 350 = 0

売上を「S」に置き換えると、S - ( S × 0.6 ) - 350 = 0となります。この計算式を解くと、

S - 0.6S - 350 = 0
0.4S - 350 = 0
0.4S = 350
S = 350 ÷ 0.4
S = 875          

答え:売上875百万円の時に営業利益は0となる。(=損益分岐点売上高は875百万円)

損益分岐点売上高の算出方法、『売上-(売上×変動費率)-固定費=0』を知っていると、予算を策定する際や事業計画を立てる際に役に立ちます。

また、プロジェクトのリスク管理を行う場面でもこの計算は必須です。是非活用してみて下さい。

 

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「財務って勉強しても良くわからない」「P/Lは大事だけど、B/Sなんて借入の金額ぐらいしか見ていない」という人から、「一応、財務分析もできる」という、財務がわかったつもりの過去の私の様な人にまで、経理の視点からではない、経営の視点から見た数字と財務の話を書いています。駆け出しの営業員から事業責任者や経営者、或いは銀行員まで、実際にビジネスで使える財務数字を学んで頂ければと思います。

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