今さら聞けない財務と数字の話㉓~取引先の財務状況を見極める①

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取引先の財務状況を見極める①

ここまでB/S、P/L、C/Sと一通り見てきました。これで決算書の基本的な財務三表は一応押さえたことになります。しかし、経営者や管理職、そして営業員にとって重要なことは、こうした資料を見て企業の状況を判断することができるかどうかです。

企業の状況を判断する場合、「財務分析」という多くの指標が出てきて嫌になった経験がある人も多いと思います。ROAとかROEが何%だとか、総資産回転率はどうなっている、流動比率は100%以上あるのか等々、全部を覚えようと思ってもなかなか覚えられません。それに業種によっても財務指標数字の捉え方は変わってきます。

上場企業であれば財務の数字が開示されていますし、アナリストの分析を見て取引の可否を判断すれば問題になることもないでしょう。例え業績が不振であったり、良くない評判があったりしても、上場企業であれば何らかの情報を取ることはできます。

しかし、多くの取引先は上場企業ではありません。そしてそうした企業が開示する決算資料は限られています。せいぜいB/SとP/Lが貰えれば良いのではないでしょうか。経営者や事業責任者は、こうした資料から、企業の状態を見極めなければなりません。

そこで、ある企業(Z社)との取引につして考えて頂きたいと思います。Z社は関東地方の製造業です。嘗ては大手メーカーの下請けとして業績は好調でしたが、ここ数年は業績が落ち込み、営業利益ベースでも赤字に転落してしまっています。(図表)

オーナーは高齢で後継者もなく事業意欲も薄れていましたが、従業員の生活も考え、3年前に人材紹介会社に依頼して社長を招聘しました。

新社長は3年間で営業利益の黒字化を果し、債務超過(純資産の額がマイナスであること)の金額も減少しています。これから更に利益率の改善を図り、2年後には債務超過を解消したいと言っています。

さて、図表のB/SとP/Lを見て、Z社の状況と今後の付き合い方をどのように判断するか考えてみて下さい。

 

図表:Z社のB/SとP/L

⇨ 今さら聞けない財務と数字の話㉔~取引先の財務状況を見極める②

⇦ 今さら聞けない財務と数字の話㉒~キャッシュフロー計算書

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