今さら聞けない財務と数字の話⑫~B/Sのまとめ

B/Sのまとめ
車両を購入した際に、どのようにB/Sが動くのか確認できたでしょうか。
もうひとつだけやってみましょう。
車両(2,400千円)の半分を現金、残りは3か月後に支払う条件で購入した場合、B/Sはどのような動きになるでしょうか。
答えは図表1のようになります。
図表1:車両を現金と買掛金で購入した場合

車両運搬具が資産として増加するので固定資産が2,400千円増加します。ここは前回と同じです。
半分は現金で支払うと言っていますので現金が1,200千円減ります。
あと半分は3か月後に支払うと言っていますので、3か月後に支払う義務のあるお金としてB/Sに計上する必要があります。
支払う義務があるお金は負債に計上することになっていました。その期間が1年以内の3ヵ月ですから流動負債に計上します。
このような支払い猶予を受けたお金のことを買掛金と言います。流動負債の欄に買掛金1,200千円を記載します。
これで左と右の数字がバランスします。今回も1,200千円の資産が増えたことになりました。
銀行借入であっても、商取引上の負債であっても、外部からお金を調達するとB/Sは大きくなります。
外部からのお金を集めるのではなく、自分で稼いだ利益でB/Sを大きくすることもできます。それが図表2です。
例えば、1年間の決算で1,000千円の当期純利益を稼いだとします。当期純利益はP/Lの一番下にあったものです。売上から様々な費用を差し引いて、最後に税金を支払った残りの利益が当期純利益でした。
この当期純利益は会社の財産ですから、B/Sに計上されます。ただ左側の資産側ではなく、自分で稼いだ利益は純資産の利益剰余金という項目に記載されます。
純資産には大きく分けて、資本金と資本剰余金、そして利益剰余金がありました。自分で稼いだお金は利益剰余金に計上します。利益剰余金を復習したい方は今さら聞けない財務と数字の話⑧~B/Sの中味をもう一度見て下さい。
当期に利益を出して、利益剰余金が1,000千円増えたので、その分、左側の資産が増えるか、右側の負債が減っているはずです。
図表2では普通預金が1,000千円増えています。これでB/Sが1,000千円分大きくなりました。
図表2:事業の利益で資産を大きくする

図表3は、B/Sの構成で覚えておいた方が良いことです。科目は覚える必要はありませんが、B/Sがどのように構成されているかは理解できれば良いと思います。
次回からP/Lの説明に移ります。
図表3:B/Sの構成

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