今さら聞けない財務と数字の話⑪~B/Sに書き込んでみよう

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B/Sに書き込んでみよう

B/Sにどのようなもの(勘定科目と言います)が計上されるのかはイメージできたと思います。それでは基本的な会計処理がどのように行われるのか考えてみましょう。

まずは図表1の3つのケースでB/Sがどのように変動するかを考えてみて下さい。車両は全て2,400千円で、科目は「現金」、「車両運搬具」、「長期借入」、「短期借入」の4つを使います。

 

図表1:会計処理はどうなりますか

例題1の車両を現金で購入した場合を考えてみます。

ここでは「車両運搬具」と「現金」という科目が登場します。「車両を現金で購入した」わけですから、「車両運搬具」が増えて、「現金」がその分減るはずです。

「車両運搬具」は2,400千円です。「車両運搬具」ということは、営業や物流等に使うもので、売却するために仕入れたものではないので、「固定資産」に計上されます。

そして「現金」はすぐに増えたり減ったりする「流動資産」ですから、「流動資産」の「現金」という科目を「車両運搬具」の分(2,400千円)だけ減らします。

B/Sは右と左がバランスするというお話をしましたが、図表2を見て頂くと右と左の数字が変わっていないことがわかると思います。

「流動資産」にあったものが「固定資産」に同じ金額だけ移動しました。

因みに「現金」▲2,400と書いてありますが、これは「現金が2,400千円減りますよ」ということを示しているだけです。実際にB/S上に、「現金」がマイナスで表示されるわけではありません。

例えば元々資産に「現金 10,000」があった場合は、2,400をマイナスした残高の7,600が「現金」としてB/Sの流動資産に計上されます。

 

図表2:車両(2,400千円)を現金で購入した場合

 

次に例題2を見てみましょう。車両を買うのにお金を銀行から借入して購入したケースです。

簿記的には、銀行から借りたお金は預金になって、そこから振り替えて、、、等々の話になるのですが、ここは簿記を説明するブログではなく、あくまで管理職や営業員が決算書を見て判断できるようになる為に必要なコトだけを説明します。

車両が「車両運搬具」として計上されるのは例題1と同じです。だから左側は「固定資産」に「車両運搬具 2,400」が増えるところは変わりません。

B/Sはバランスするので、左側の「固定資産」が増えたら、右側のどこかが増えるか、或いは図表2で見たように、左側のどこかが同じ金額だけ減るはずです。

今回は借入ということで、集めたお金が増えたので右側のどこかが増えることになります。

右側といっても、「流動負債」か「固定負債」か「純資産」なのか、どの部分が増えるのでしょうか。「純資産」は株主から集めたお金、負債はそれ以外の返済義務があるお金でしたので、「流動負債」か「固定負債」になります。

この二つを分けるのは1年以内か1年超かです。例題では期間3年の銀行借入となっていますので、この借入は「固定負債」ですね。

よって、「固定負債」に「長期借入 2,400」を記載します。(図表3)

 

図表3:車両を購入するために銀行から3年間の借入を行った場合

 

最後の例題3では、現金と借入によって車両を購入しています。

まず、車両の記載方法は例題1,2と同様です。ここは資産として車両が増えているので変わりはありません。

どうやってお金を集めたかを見ると、まず現金で1,200千円使ったとあります。そこで、流動資産の現金を1,200千円減額します。

これは例題1と同じ理由で、現金は「流動資産」なので、そこから減額するわけです。

次に銀行借入です。期間が1年と書いてあります。例題2では借入期間は3年でしたので「固定負債」に長期借入として記載しました。

期間1年の借入は1年以内なので「流動負債」に記載します。図表4では「流動負債」に短期借入+1,200と記載しましたが、実際の決算書には短期借入と書かれている場合や単に借入と書かれている場合があります。

ただ、「流動負債」として記載されている借入は全て1年以内の借入ですから、あまり記載されている方法を気にする必要はありません。

「固定資産」が2,400増えたことで、その分「流動資産」が1,200減少し、「流動負債」が1,200増加したため、左の数字と右の数字がバランスするようになりました。(図表4)
 

図表4:車両を現金1,200千円、1年の銀行借入1,200千円で購入した場合

以上で説明は終わりですが、図表2、3、4のB/Sの一番下にオレンジで囲ってある部分を見て下さい。

それぞれB/Sの増減金額が書いてあります。

例題1の現金で車両を購入した場合はB/Sの増減はありませんでしたが、例題2,3で借入をした場合はB/Sが増加しました。

これは企業が大きくなっていることを表します。

自分が持っているモノを使わないで外部からお金を集め(調達)、それを資産に変えることで企業は大きくなります。

借入をして企業が大きくなるというのがあまりイメージできないかもしれませんが、借入は企業にとっては会社を大きくする方法の一つです。

借入が出来るということ自体、企業の信用力が上がっているということですし、借入を行い、そのお金で資産を購入して、その資産がさらに利益を生むという循環をつくることができれば、企業はどんどん成長します。

もちろん、資産がお金を産まなくなってしまうと、借入は返済することができなくなってしまいます。

また、 あまりに負債が大きくなりすぎると、純資産の割合が小さくなり、企業としての安定性が悪くなります。

経営者は、どういう企業を作りたいか、B/Sの左側の資産内容と、右側の負債と純資産のバランスをよく考えて経営を行う必要があるわけです。

⇨ 今さら聞けない財務と数字の話⑫~B/Sのまとめ

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