今さら聞けない財務と数字の話⑩~人は資産?

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人は資産?

それぞれの詳細がわかったところで、もう一度B/S全体を見てみましょう。

B/Sは右側が資金の調達、そして左側が資金の運用になります。

図表1で説明すると、右下の緑の部分が会社を設立するために投資家から集めたお金です。この投資家から集めたお金は「資本金」と「資本準備金」として計上します。

「資本金」は出資した後は基本的に自由に金額を変更することが認められていません。このため後述する理由から、一部を「資本準備金」という科目に積み立てて状況によって利用できるようにしておきます。

「資本準備金」は「資本金」の1/2を越えない金額まで計上することができます。例えば10百万円の払い込みの場合、「資本金」5百万円、「資本準備金」5百万円として計上できます。(ここは覚える必要はありません)

「資本準備金」は積立金のようなイメージを持っておけば良いと思います。会社の業績が悪くなった時に、「資本金」を変更するのは前述の理由の通り大変ですが、積み立ててある「資本準備金」を取り崩すということはできます。

『投資家が出資したお金は「資本金」と「資本準備金」に分けられる。「資本金」は金額を基本的には変えられないが、「資本準備金」は積立のようなものだから、業績が悪くなったら減額することができる。』と覚えておいてください。

B/Sの話に戻ります。 お菓子の製造会社を設立する場合で説明しましょう。資本金を出資して会社が設立できれば、株主である投資家はそのお金でケーキを焼くための機械設備や備品を購入します。機械や備品は商売で長期間使うために購入します。商品のように1年以内に売却するようなものではないため固定資産に計上されます。

株主から集めたお金だけで足りなければ、銀行から借入を行って資産を購入します。1年以内に返済する借入を行った場合は「流動負債」、機械等を購入するために、1年以上の長期で借入を行った場合は「固定負債」に計上します。

ケーキを作る材料を仕入れる際には、仕入れ先から支払い期間の猶予をもらいます。この支払猶予がある仕入資金のことを「買掛金(カイカケキン)」と言います。要するに「つけ払い」です。

「買掛金」は通常数日から数か月の間の支払い猶予があるお金です。支払う義務がある1年以内の負債ですから、「流動負債」に計上します。

こうして購入した機械や材料でケーキを作ります。作ったケーキの内、今期販売せずに取り敢えず冷蔵庫に入れた商品は「流動資産」に計上されます。

そして1年間の事業の結果、決算を締める際(決算期)に残っている利益(或いは損失)はB/Sの右下の「利益剰余金」に蓄積されます。

図表1:B/Sの全体像

 

投資家から集めたお金はB/Sの右下、銀行から集めたお金はB/Sの右上、そこから資産を購入すればB/Sの左側に計上され、残ったものが最後はまたB/Sの右下に貯まることになります。

日々の業務の流れと共に、B/Sの其々の数字も毎月(毎日)変わりますが、最終的に決算書に記載されるのは、決算期である期末の数字だけです。 

図表2の通り、B/Sで決算期中に動くのは赤で囲った部分だけです。「純資産」は期末だけ、それも殆どの場合、「利益剰余金」だけが期末に動きます。

図表2:B/Sの動き

 

B/S上の業務の流れは何となく理解できたかもしれませんが、会社の資産なのに、B/Sに計上されないモノがあります。それは「人」です。機械があってもそれを動かす人がいなければケーキを作ることはできません。

「人」がなぜ資産じゃないの?と思われる方がいるかもしれません。

売上がB/Sに計上できないことは何となくわかりますが、人は多ければ多いほど会社の資産が増える気もします。

自分の意志で会社を辞めてしまったり、成長して大きくなったりするから資産として計上すると面倒だからですかね。この点については、昔から「人を資産に計上すべき」とか、「採用や育成に関わる費用を資産計上して減価償却しろ」いう議論もあるようですが、私には良く分かりません。

何れにしても、会計上「人」はあくまでも「コスト」としてP/Lに計上され、B/Sには計上されません。

 

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