今さら聞けない財務と数字の話⑤~決算期とは何か

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決算期とは何か

ここまでは、財務の話に入る前に数字をどのように捉えるべきかという話をしてきました。ここからは、ちょっと財務っぽくなってきます。まずは決算書の話です。

「決算書」を見たことがない人は少ないかもしれません。では、決算書の中の科目や数字にはどのような意味があるかわかるでしょうか。

決算書の中には、売上や利益、販売管理費や預金借入金等、さまざまな科目が並んでいます。こうした数字は、企業が製品を作る、或いは商品を仕入れて販売し、代金を受け取り、従業員に給料を支払うというような経済活動の結果が記載されています。

企業の経済活動を1年間毎にまとめたものが決算書となります。

 

図表1:決算書とは会社の経済活動を数字に置き換えた報告書

 

企業は、なぜ決算書を作らなければならないのでしょうか。もちろん、法律で決まっているからではあるのですが。。。

家計簿やお小遣い帳をつけている人とつけていない人がいます。個人のことであれば記録をつけていなくても本人以外で誰かが困ることはありませんが、企業が決算書を作っていないと困る人が出てきます。

企業には株主がいます。株主は経営者に企業の運営を任せていますが、運営が上手く行っているかどうかを知るためにも決算の内容を知る必要があります。特に株式を上場している企業には個人や法人の株主がたくさんいます。株主にとっては、投資している企業の状況を知るため、そしてその状況から将来を予測するための資料として、決算書がとても重要になります。

また、事業で利益や損失を出した場合は、税務署に報告します。事業を拡大するためにお金を借りようと思えば、銀行にも決算書を見せる必要があります。仕入先や販売先も、商売をしても大丈夫な相手かどうか知るために取引先に決算書を要求する場合があります。

図表2:決算書は何のためにある

 

このように重要な役割を持つ決算書ですが、決算期はどのように決められているのでしょうか。

決算書には、「平成30年4月1日~平成31年3月31日」といったような日付が書いてあります。これは、平成30年4月1日~平成31年3月31日までの間の経済活動による会社の業績を、決められたルールに従って算出したものであることを示しています。この期間が決算期となります。

決算期を何月から何月にするかは会社によって異なりますが、決算の期間は1年を超えてはいけません。 

会計期間が4月1日から3月31日であれば、最初の4月1日が「期首(キシュ)」となり、翌年の3月31日が「期末(キマツ)」となります。期末が「決算日」となります。

「会社の設立は今年の5月だけど決算期は3月にしたい」というような場合は、今年の5月から翌年の3月までの10ヵ月の決算を行うことができます。この場合、初年度の会計期間は10ヵ月で決算書を作ることになります。そして翌年からは4月1日~3月31日までの12か月で決算を行います。

上場企業は四半期ごとに業績を株主に対して開示(報告)する義務があります。定期的に業績を開示することで、株主が企業の経営状態をチェックしたり、利益予測ができるようにする必要があるからです。 因みに、「半期」とは1期(1年)の半分である6ヵ月、「四半期」は1期を4等分した3ヵ月のことです。

 

図表3:決算期とはどのように決められるのか

  

決算期は企業によって違います。日本の場合は3月決算が多く、海外では12月決算が多いようです。日本では、明治時代に政府の会計年度が4月から始まることになりました。それに合わせて学校の入学時期も4月となったと言われています。こうした流れから、多くの日本企業が政府の会計年度に合わせ、決算期を4月~3月の1年間としたようです。

ただ、小売業などには2月や8月決算の会社も数多くあります。小売業は、年末から1月にかけてと、お中元やボーナス時期の7月にかけての時期に、セール等により消費が大きく伸び、その後落ち着くという商売のサイクルになっています。

決算を締める(決算期に数字を確定させる)ためには、在庫の確認をしなければならないのですが、繁忙期にはこうした作業(棚卸 タナオロシ作業と言います)ができないため、閑散期である2月、8月を決算期とする企業が多いようです。

アパレル企業は、春、夏、秋、冬というシーズンで事業が動くため、ちょうどシーズンとシーズンの谷間になる2月、8月の都合が良いのでしょう。

 

図表4:なぜ決算期は企業によって異なるのか

 

因みに個人事業のような小さな会社を作ろうと思っている場合、3月決算は避けた方が良いかもしれません。その理由は「税理士が忙しいから」です。

日本では、ほとんどの企業の決算が3月、2月、12月に集中しています。中でも一番多いのは、3月決算の会社ですから、この時期を決算期にすると税理士に決算処理を頼むのが大変です。

最近は税理士に頼まなくても、自分で決算を締められるツールもたくさん出てきていますが、決算作業を外部に頼む必要がある会社は、3月を決算期にしてしまうと良い税理士さんを探すのに結構苦労するかもしれません。

  

⇨ 今さら聞けない財務と数字の話⑥~決算書の構成

⇦ 今さら聞けない財務と数字の話④~数字は比率で比較しよう

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