今さら聞けない財務と数字の話③~数字はざっくり数えよう

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数字はざっくり数えよう

例えば、売上 329,890,861円、営業利益 8,223,552円という数字を見たとします。この数字を見て、皆さんはどう思うでしょうか。

「3桁ずつカンマで区切ってあるから、売上は3億2千9百80万8百61円、営業利益は,8百、、、、」と数える人が多いと思います。

プレゼンの場でも、このようにやけに細かい単位まで数字が書いてある資料を見かけます。

確かにオフィシャルな会議では細かく書く必要があるかもしれません。しかし、この数字の報告を受ける人は何を判断するために数字を知りたいのでしょうか。

恐らく前月や前年同月との対比や、競合他社との比較、自分たちが実施したプロモーション効果の結果といった、何かの比較のために数字を見ることが多いのではないでしょうか。

そこで考えてみて下さい。

管理職の方はわかるでしょうが、例えば前月との数字の比較をする時に、1円単位まで比較はしないですよね。

数字の大きさにもよりますが、例えば今月の売上が 329,890,861円、前月が318,765,982円ならば、こんな感じで比較すれば十分ではないでしょうか。

今月売上 329.8百万円(≒330百万円)
前月売上 318.7百万円(≒319百万円)

一応百万円以下も書きましたが、私なら、カッコ内の数字があれば十分です。経理担当ではなく、事業の責任者であれば、基本的に上から2桁までの数字(四捨五入)で考える様にすべきだと思います。

営業利益でも同じです。 8,223,552円であれば、8.2百万円。

会議などでスライドに写されるパワーポイントの資料に、1円単位まで書いた数字を載せる人がいますが、その度に「プレゼンで相手に伝えたいことが何かを考えて作っているのだろうか」と思います。

数字の桁が多くなると非常に見にくいですし、表やグラフに入りきらないこともあります。

物事を考えて判断する時や相手に何かを伝えたい時は、このように数字を丸めてシンプルにすることが必要です。

そうすることで余計なことを見ず、考えなくても良くなります。

細かい正確な数字が必要ならば、プレゼン資料の後ろに別途資料として添付すれば良いと思います。

経理等の管理業務であれば1円単位まで細かい数字をきっちり詰める必要がありますが、経営や営業に関する数字は、会社の現状や将来を判断するために必要なデータです。

ですから数字はざっくりでかまいません。というより、細かい数字は見てはいけません。ざっくり捉えないとダメなのです。

経営に関わる仕事をしている管理職や営業員、或いは入社したばかりの新人は、是非、数字をざっくり捉える癖をつけて下さい。

そうすることで全体が見えるようになり、会社の数字がより良く理解できるはずです。

  

図表:数字は上から2桁で考える

⇨ 今さら聞けない財務と数字の話④~数字は比率で比較しよう

⇦ 今さら聞けない財務と数字の話②~数字はなぜ区切るのか

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