新規顧客の開拓よりも値上げを検討すべき理由

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売上を増やす方法は、新規顧客の増加だけではありません。優先順位としては新規顧客や市場に手を伸ばすのは一番最後で良いと思います。

前回値上げの話をしましたが、実際に新規顧客への販売増で売上を増やすことよりも、値上げで売上を増やすことの方が難易度は低いことはお分かりになったと思います。

そうは言っても「値上げなんかしたら売上が落ちる」と思っている方も多いでしょう。

確かに値上げを行うと離れていく顧客もいると思います。また、値上げを行うのであれば、それなりの品質やサービスを提供しなければなりません。

ただ、従来から高品質の商品やサービスをリーズナブルな価格で提供してきた企業が、倒れるか倒れないかという瀬戸際であれば、取引先はダメージを考え、若干の値上げは許容してくれるはずです。

もし許容されないならば、その企業の製品やサービスは、単に価格が安いから評価されてきただけで、何れは淘汰されるビジネスということです。

「そんなこと言われなくてもわかってる」ということかもしれませんが。

そこで、頭の整理のために問題をひとつ。

売上を上げるために、下記のいずれかを選ぶ場合、あなたならどちらを選びますか?(話を単純にするため、原価は仕入だけとします)

A. 販売数を10%増やす
B. 販売価格を10%値上げする

 

どちらが利益に対する貢献度が大きくなるかを考えてみましょう。

Aの売上と利益(粗利)は図表1の通りになります。販売数が増加すると当然仕入も増えるため、粗利は10%の増加となります。
 

図表1:販売数を10%増やした時の売上と粗利

 

次に、Bの売上と利益(粗利)が図表2の通りとなります。販売価格は10%上がりますが、数が増えるわけではないので仕入は増えません。このため、単純に10%分が利益に反映され、値上げ前よりも粗利は25%増加します。

図表2:販売単価を10%値上げした場合の売上と粗利

 

実際に販売数を増やすには、仕入だけでなく商品開発関連の費用や販促費、新たな物流費等がかかるため、図表1よりも利益率は悪くなると思います。

それに対してBは、新たな販促費や物流費は発生しないため、純粋に価格上昇分だけ利益が増加します。

因みに、販売価格を10%値上げし、その影響で販売数が20%下がったとしても
図表1、図表2と同じ原価率であれば、粗利は変わりません。(図表3の上)

原価率が高い(粗利率が低い)商売であれば、例え販売数が20%ダウンしたとしても、販売単価を10%上げられれば、粗利は20%も良化します。(図表3の下)

ここではあまり細かい話はしませんが、粗利が低い商売をしている中小企業ほど、販売数を増やすよりも販売価格の引き上げを検討した方が利益へのインパクトは大きいということを覚えておいてください。

図表3:販売価格を10%上げた影響で販売数が20%ダウンした場合

 

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