売上を増やす施策と優先順位

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ここまでKPIの作り方、そして目標設定等、マネジメント方法についてのお話をしてきました。

2月20日の「なぜ、売上が増えないのか?」から始まった今回のブログのテーマは「これだけやれば売上倍増!目標を達成するKPI」です。

その最後として、売上とは何かについてもう一度考えてみたいと思います。

「売上はお買い上げ」ということを何度かお伝えしてきました。ここでは売上を構成するモノについて少し考えてみたいと思います。

売上は客数と購入金額に分解できます。(図表1)

  

図表1:売上を構成するモノ

  

当然ですが、売上を増やすにはお客様の数を増やすか、お買い上げいただく金額を増やすことが必要です。

そこで、この「客数」と「購入金額」をもう少し深掘りします。

お客様の数はどのように決まるのでしょうか。例えば既にお店を経営している方であれば、懇意にしてくれている既存のお客様がいるはずです。

また、新たにお客さまになって頂ける可能性があるお客様、そして残念ながら、他店に流れてしまったお客様もいるはずです。

「既存」「新規」「流出」、この3つが客数を決める要素になります。

  

図表2:客数を分解する

  

では購入金額はどのように決まるでしょうか。

購入金額は、それぞれの商品の価格である「単価」と、商品が何個売れたかという「品数」、そしてその品物がどのぐらいの「頻度」で売れたのかに分解することができます。

10アイテムの品物のうち7つが売れても、1つの品物が毎日1週間売れ続けても、単価が同じであれば販売金額は同じです。

「単価」と「品数」、そして「頻度」が購入金額を決める要素になります。

 

図表3:購入金額を分解する

客数と購入金額をここまで分解できれば、あとは其々をどのように増やすか(或いは流出を減らすか)を考えれば、売上を増やすことができるはずです。(図表4)

 

図表4:売上を増やすために何をすべきか

  

図表4の右側は、売上を増やすための対策です。それぞれ取り組みやすいもの、難易度が高いものがあります。

そこで、この難易度とそれぞれを取り組む際にかかるコストに点数をつけてみました。(図表5)

  

図表5:売上を増やす施策の難易度とコスト

 

  

図表5では1~3点の点数をつけています。点数が高い方が難易度が高く、コストがかかることを意味しています。最も難易度が高いものが3点、一番コストがかかる方法が3点となります。

この結果、最も点数が大きいものは新規顧客を増やすこと、最も点数が小さいものは、顧客流出を減らすことになりました。

「売上を増やしたい」と思った時、多くの経営者は「新しいお客様を増やさなければ」と思います。しかし、新規顧客を増やすことは簡単ではありません。

しかし、多くの経営者が売上を増やすためには「新たな顧客を増やす」ことが必要と考えます。

図表5にある通り、売上を増やすためにまずやるべきことは、既存顧客の流出を止めることです。これが最も難易度が低く、コストもかからない方法です。

購入単価を上げるとは、既存の商品に加えて何かを購入してもらうことや、既に販売している商品の値上げをすることです。

「値上げ」は難易度が高いですがコストはかかりません。このため、優先順位が高くなっています。

実際に、値上げは利益の増加に非常にインパクトのある施策になります。確かに既存商品の値上げは難易度が高いですが、新規顧客を増やそうとする前に、まず絶対に考えるべき施策だと思います。

中小の製造業には、元請けからコストダウンを毎年要求され続け、仕入れ先からは原料費の値上げを価格に転嫁されるため、自社の利益がどんどん少なくなっている会社が少なくありません。

そういう会社こそ、腹を据えて仕入れ先、販売先の双方と価格交渉を行うべきです。

私が経営代行サービスを行う中で、最初に考えるのがこの値上げです。

ほとんどの経営者は、「そんな簡単にはいかない、懇意にしてくれている取引先にそんなお願いはできない」と仰ります。

しかし値上げ交渉は、かなりの確率で成功します。何故なら、殆どの中小企業はこれまでちゃんと値上げ交渉をしたことがありません。

元請けや仕入れ先にとって、ある程度のコスト増であれば、取引先企業を変えるよりも、受け入れた方が結局安上がりです。

中小企業の経営者は義理人情に厚く、優しいので、価格交渉が苦手(というか嫌い)な人が多いようです。

そういう企業が、長年の取引先にはコスト負担を依頼できないから、新商品の開発や新市場への進出でそのコストを回収しようとしても無理な話です。その企業のことをわかっている企業が受け入れてくれないものを新規の顧客が受け入れることはあり得ません。

ですから、売上を増やしたいからと言って、むやみに新規顧客の開拓をしようとしないで下さい。

やるべきことは、既存のお客様をどうやって引き留めるか、そしてもっと来てもらえる、使ってもらえるようにするためには何をすれば良いかです。

KPIを作る時は、そのことをよく考えて目標設定を行って下さい。

  

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