KPIを決めるための業務工程の分解と歩留まり率の算出①

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KPIを決めるには、まず下記の図のように業務を分解する必要があります。

A社は一般的なBtoBの営業のような業務です。「ルート営業」とか「御用聞き営業」と言われるものですね。

部品製造会社や下請け工場では良くあるケースだと思います。日々の御用聞きの中からネタを見つけ、それを解決していくことで受注につなげるビジネスモデルです。

私がアジアで産業機械を販売していた時、このA社と同じような営業をしていました。

アジアには若手を積極的に派遣していたのですが、若手営業員は経験が浅いため、お客様のビジネスに自社製品がどのように役に立つかが良く分かっていません。お客様の方がはるかに製品を良くご存知です。

そこで、面談数をKPIとし、何故それを達成すれば売上が達成できるのかというロジックを営業員に教えた上で、「まずは、お客様とお会いすること、そして商品の売り込みをするよりも、何でもよいからお客様に教えていただきなさい。」と彼らに伝えました。

タイやインドネシアに進出している会社の日本人の方々に面談を依頼すると、取引の有り無しに関係なく、大抵お会い頂けます。

特に若手が往訪すると、自社の製品についてだけでなく、他社製品についてもさまざまなお話をして頂けます。若手は自社製品をうまく売ろうとしても難しいので、兎に角お客様のお話を聞く様にします。そしてわからないことや質問を頂いたら、それを持って帰って次回往訪時や電話で回答するようにしました。

この取組をすると、お客様からは「こういう使い方ができれば良いのに」とか「何でこういう使い方をしてはダメなんだ」と、ユーザーとしての観点からアドバイスやクレームをご教示頂ける機会が多々ありました。

また何よりも、話をよく聞く若手社員は可愛がられます。私のようなおっさんが行くよりも、彼らが行く方がずっとお客様の受けが良いです。(笑)

それが次への訪問につながり、若手の成長にもつながります。

お会い頂けるって、本当にありがたいことです。

面談回数が増えると、当然ながらビジネスチャンスも増えます。

このA社のケースでは顧客訪問をしたうち、問題を聴取できる割合が20%にしていますが、アジアでは50%ぐらいになるのではないでしょうか。

歩留まり率は最初は経営者の経験と勘で設定して構いません。ただ、場所が変われば数値も変わります。

アジアでは、顧客訪問から問題聴取が50%、更にそこから解決策紹介が50%~70%ぐらいになるかもしれません。

例え、慣れた仕事であっても、経営者が思っているよりも次につながる割合が高かったり低かったりすることがあります。

それは実際にKPIを決めて、データを取ってみないとわかりません。

経営者だけでなく、営業員がそうしたことを肌で感じることが大事です。それが次のKPIの設定に活きてきます。

さて、私が経験した産業機械会社に於けるアジアの取組では、KPIを達成することで売上目標は達成できました。

しかし何よりも、お客様のニーズを数多く聞き、新たな視点での製品・サービス提供について営業員が考える機会を持てた効果の方が短期的な目標達成よりも大きな効果でした。

実際に面談を通じて、外国製品のトラブルの話が多いことやサービスがほとんどないことを知った営業員から、他社製品のカタログを集め、勉強を始めようというアイディアが出てきました。

外国製品の場合、タイやインドネシアには代理店やサービスショップがなかったり、あったとしても社員が十分な教育を受けていないケースも多くあります。

そこで、他社製品の点検も行い、修理すべき部分や交換すべき部品を伝え、それをお客様から取引先の代理店やサービスショップに依頼してもらう、「他社製品の無料点検サービス」も行いました。(もちろん、自社で扱っている製品ではないため、アドバイスに留まりますが)

この結果、安易に自社製品への交換を勧めるのではなく、今ある製品を如何に長く安全に使えるようにするかという観点でサービスを行ったことで、多くのお客様に同社のファンになっていただくことができました。(もちろん有難いことに、自社製品の販売も伸びました(笑))

このサービス部門は、同社の大きな事業の一つに成長し、タイの景気が悪くなった際にも、製品販売の不振を十分カバーできる事業となっているようです。

ちょっとKPIの話とはずれてしまいました。

ここで例に挙げた産業機械の会社では、KPIを「お客様と面談して話を聞く」ことにしたことで、営業員が自社製品を売ることよりも、お客様に会うこと、話を聞くことに必死になりました。そして、その結果として、様々なビジネスチャンスにつなげることができました。

KPIの設定次第で、このような効果も生まれるという点も参考にして頂ければと思います。

さて、次はB社のケースです。

B社では、税務セミナーが業務プロセスでは大きな役割を占めているようです。専門家の話をお客様に聞いていただくことで契約に結び付くビジネスとは、どのおようなビジネスでしょうか?

 

図表:業務工程の分解とそれぞれの歩留まり率

 

⇨ KPIを決めるための業務工程の分解と歩留まり率の算出②

⇦ KGI、KSF、KPI

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