売上って何でしょう?

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もう30年以上昔の話です。

大学を出て銀行に就職した私は、下町にある支店の営業課に配属されました。当時、都市銀行は13行もあり、他行との競争よりも、同じ銀行の支店間の顧客獲得競争が激しいような職場で、毎日朝早くから夜遅くまで働いていました。

この時銀行が力を入れていたのは、預金の獲得よりも貸金やローン、クレジットカードの営業でした。営業員は9時前には支店を出て、夕方5時~6時頃支店に戻り当日の成果を課長に報告していました。

月末になっても支店の目標が未達だと、課長から皆に発破がかかります。


「今日は取れるまで帰ってこなくて良いぞ、取れたら電話で報告しろ!」


その言葉を聞きながら、「あ~今日は土手で晩飯かあ」と思ってまた外に出かけます。

「週末の夕食の時間に『お客様の家に行け』って言われてもねえ。顧客には迷惑以外の何ものでもないよな。」

そう思いながら荒川の土手まで自転車を走らせ、川の流れを見ながら腹ごしらえをしていました。

課長が「取れるまで帰ってこなくて良い」と言ったのは、仕事に対する心構え、或いは覚悟の様な意味合いであることは理解していました。

「気合だ!気合だ!気合だ!」って感じでしょうか。

ただ、「精神論で言われてもねえ。」と思っていたことを覚えています。私は大学ではアメリカンフットボールをやっていて、授業よりもグラウンドにいる時間の方がはるかに長い生活をしていましたが、気合と根性があまり好きではありません。

そもそも目標を達成するために行動するなら、その行動が達成に向けたモノである根拠を示して欲しいと思っていました。

ですから、戦略もなく闇雲に走り回って仕事をすることをちょっと馬鹿にしていたところがありましたし、もっと言うと、「何で誰にも喜ばれない仕事をしなきゃならんのよ」とも思っていました。
 
名誉のために言っておきますが、この課長は部下想いのとても良い方でした。ただ当時は、銀行だけでなく、日本の企業全てがこんな感じだったのだろうと思います。

お客様はいらないものは買いません。欲しくなくても買うとすれば、それは売る側である銀行と買う側である中小企業の「力関係」や人と人の「情」が働いているからです。

力関係や情が通じない世界では、このような仕事のやり方は全く通じません。

例えば、品質や耐久性が高い日本製品は、インドや東南アジアではなかなか売れません。そうした国では、日本人が必要とするような高い品質や耐久性を求める顧客が限られているからです。

「売上」とはお客様に「売る」ことではなく、「お買い上げ」いただくことです。

売る側がどんなに努力しても、それが顧客にとって価値がなければお買い上げいただけません。お客様にお買い上げ頂ける理由がある商品やサービスを提供できれば、初めて売上に繋がります。

まずはお客様が「これ欲しい!」と思うような商品やサービスを作ること。それがお買い上げいただける最低限の条件です。

その上で、そうした商品やサービスを選んで頂くために、経営者がどのような努力をしているかが重要です。

努力とは過去のデータや事象を調べ、現場を知り、頭を使って考えることです。経験と勘を見える化したものと言っても良いかもしれません。

自社の商品やサービスを誰が求めていて、その人たちにどのように効果的にリーチするのか、良さを最もわかりやすく伝えられるかを考え、実行します。

こうした取り組みをここでは「営業力」と呼びます。

営業とは、業を営むことです。単に営業員が顧客に提案をしたり、顧客を往訪する力だけでなく、そこに至るまでの様々な課程を含めて「営業力」と言います。

調査し、準備を行い、仕掛けを作れば、結果として販売数が伸び、売上につながるという順番を、まずは理解していただければと思います。

 

⇨ 営業目標が達成できない理由

⇦ なぜ、売上が増えないのか?

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