理想のリーダー像とは

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ある大学の教授とリーダーの議論をした際、「観察」できることがリーダーの最も重要な資質だという話になりました。

確かに、組織の中で誰がどのような動きをしているかや、日々の言動からわかるその人と周りとの関係やメンバーが悩んでいるのか、楽しんで仕事をしているのか、企業の目的に向かって努力ができる土壌ができているか等々、そうした観察に興味がない人はリーダーに不向きだとは思います。

ただ、それが最も重要な資質だと言われると少し違和感があります。観察できることはマネジメントの基本かもしれませんが、それがリーダーの最も重要な資質ではないでしょう。

リーダーとは、どんな局面でも最善の意思決定を行ってチームを目標達成に導くことができる人と私は考えます。

アメリカでは、フットボールのヘッドコーチやQBの経験者が企業のリーダーになることがよくあります。それはフットボールのゲームが意思決定の連続だからです。 特にヘッドコーチは、選手の特長や能力を活かせる攻撃や守備の陣形とプレーを考え、試合中に相手の戦術を先読みしながら必要に応じて選手を入れ替えます。

選手の状態を知るためや相手チームの状況を知るためには当然観察力は必要ですが、常に状況が変わる中でチームを勝利に導くためには、無数の選択肢の中から勝つためのプレーを決断しなければなりません。

私は、「目的を達成できる組織」が良い組織であり、そういう組織を率いる能力がある人が良いリーダーではないかと思います。

組織は目的を達成するためにあり、リーダーは組織の目的をどのように、どこまで達成したかで評価されるべきです。そして、組織の目的とは「企業や組織のミッションやビジョンを実現すること」です。

組織の目的を達成することは一人ではできません。持てる戦力をどのように、どこに配置すれば最も効果的かを考え実行する力がリーダーとしての大事な資質だと思います。

PEファンドの投資先の経営者には、これらに加えて「目立ちすぎない」、「経営者が去っても回る組織を一定期間内に作りあげられる」ことが求められます。 「目立つことなく組織の目標を必達し、自分がいなくても同じことができる組織を一定期間で作ることができる人」という感じでしょうか。

ファンドが投資する企業経営者の役割は、現在の資源(人・モノ)を活用して会社を建て直し、ファンドが抜けた後も継続して成長できる組織にすることが求められます。与えられた3~5年という期間で、それを成し遂げるには、自分が引っ張ることと同時に、組織や人の力を底上げしなければなりません。

この中で最も難しいのが人を育てるという点です。短い期間で人を育てるには、成功体験を数多く経験してもらうしかありません。

短期間で人と組織を育てるためには、投資先の経営陣や社員に「自分達が主体的に関わったからこの仕事が成し遂げられた」と思わせ、仕事の達成感や自信を持たせなければなりません。

これは中小企業の支援者にも当てはまります。

例えば、オーナー企業のコンサルティングでは、経営者が真の問題に自ら気づかせるような仕掛けをすることが必要になります。人は、他人に言われたことではなく、自分が気づいたこと、やるべきと思ったことしか一所懸命取り組むことができません。それは経営者であっても、部下であっても同じです。

自分の功績をアピールするのではなく、これから企業を経営していく人たちに自信を持たせる。そして自分は常に水面で足を掻き続け、最善の方法を探す。こうした姿勢で仕事をすることで、企業の再建と成長への改革は進むと実感しています。

リーダーにはさまざまな姿があります。その姿や組織の導き方がどのようなものであっても、目的の達成に向け常に最善と信じた意思決定を行い続け、ひとつひとつ目標をクリアしていくことが出来る人、それが理想のリーダーだと思います。

  

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⇦ 従業員を適正な労働時間で働かせるために企業が行うべきこと

 

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