経営ビジョンと業績の関係~「ビジョンで飯が食えるか!」は本当か?

経営ビジョンが「ある会社」と「ない会社」
経営ビジョンがある会社は、ビジョンがない会社よりも業績が良いことがデータでも証明されています。産能大学経営学部の宮田矢八郎教授が集計したTKC(税理士および公認会計士の組織)の調査データでは、「経営ビジョンがある会社」2,752社の平均経常利益は49百万円、「経営ビジョンがない会社」2,236社の平均経常利益は29百万円となっています。
また、売上や利益が大きくなるにつれて、経営ビジョンがない会社よりも、経営ビジョンがある会社の割合が増えていることが下記の【図表】から理解できます。
図表:経営ビジョンの有無と売上・利益の関係

(出所)理念が独自性を生む(宮田矢八郎・著)を加工
有形無形にかかわらず、「経営ビジョン」、又は「経営ビジョンに相当するもの」がない会社では下記の様な弊害が生じると宮田教授は言います。
① 従業員が何を判断基準として働けば良いかわからない
② 方向性が不明確な為、従業員が自分の好きなように行動する
③ 従業員からの求心力がなくなり、コミュニケーションが滞る
④ 社内に不正や不祥事が起きやすくなり、職場環境が悪化する
⑤ お客様へのサービスレベルが低下し、売上が低下する
⑥ お客様の不信感がつのり、会社から顧客が離れる
⑦ 協力会社から適切な支援がうけられない
⑧ 社会からの信頼を得られずいつまでもブランド力が備わらない
こうした弊害を見ると、全社員が経営者と同じ考えでお客様に商品とサービスを提供するためには、「経営ビジョン」を設定することが重要ということが理解できるのではないでしょうか。
ビジョンがあるだけでは、飯は食えないかもしれませんが、飯を食い続けるために、もっと良い飯をたくさんの人に食わせるためには、経営ビジョンは絶対必要だと、この研究を見て私は感じます。
Point
1.経営ビジョンがある会社の方が、ない会社よりも売上、利益が良好です。
2.経営ビジョンがない会社では、業務を行うに際しさまざまな弊害が生じます。
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