引き継ぐ覚悟、引き受ける覚悟

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事業承継を検討する際は、まず現状を把握することが大切です。親族間の承継であってもM&Aと同じ様に考え、現経営者(売り手)は、後継者(買い手)にスムーズに事業を引き継げるように計画を策定し、引き継いだ後のことも考え、事業の整理や強化、資産の承継を行います。【図表】

図表:事業承継の基本的な流れ

 

事業承継は経営者一人で考えるのではなく、現状の把握から問題点の抽出、経営理念やあるべき経営体制に向けた組織の見直しを後継者と共に考える必要があります。現経営者は「自社の現状は自分が一番良く分っている」と思っているでしょうが、後継者が、M&Aで買収するつもりで引き継ぐ企業の現状を把握し経営の分析を行うことにより、現経営者が気づいていなかった問題点が見えてきます。経営者が交代した後も企業が問題なく継続・成長するために、現在の経営・組織体制を現経営者と後継者が一緒になって強化することも必要です。  

これまでは現経営者が経験と勘を頼りに一人で経営判断を行ってきたと思いますが、後継者には創業者と同じ事業運営はできませんし、従業員からの信頼を得るには時間がかかります。

例えば、中小企業では、就業規則の整備や残業・休日の取得に関しての取り決め等がはっきりしていない場合も多くあります。これまでは、社長の強いリーダーシップや人間的な魅力によって特段問題にはならなかったかもしれませんが、後継者が事業を引き継いだ途端に、従業員の不満が一気に吐き出され、こうしたことが大きな経営課題となることもあり得ます。

先日、ある企業で行った従業員アンケートの結果では、「自社の経営方針が良く分らない」という意見が多数見られました。先代の時代には、何も言わなくても従業員は黙ってついてきてくれたかもしれませんが、後継者の場合はそうはいきません。後継者がどんな経営理念を持ち、何を目指して経営するのかを従業員に自分の言葉で語れなければ、次第に従業員が離れてしまう可能性もあります。

事業を継続・発展させるには、例えそれが親から譲り受けたものであったとしても、後継者はM&Aで企業を買収したかのごとく、経営方針や組織・運営体制を社内外に示すことが重要です。また現経営者も、後継者に対し、事業を他人に売却する気持ちで企業の内部を整理・強化し、誰が引き継いでも運営ができるようにするぐらいの覚悟をもって頂きたいと思います。

Point

1.現経営者の「当たり前」は後継者にとっては全て新しいことです。

2.現経営者の「人間力」や「経験と勘」を引き継げる後継者はいません。

3.経営者と後継者間で会社を売買する覚悟で事業承継を行って下さい。

 

 “譲り渡す者”と“受け継ぐ者”のための事業承継進捗確認ツール

 事業承継で引き継ぐ”モノ”

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