地方・中小企業が海外で成功するために 第7回

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【図表】は、筆者が調査した日本企業R社の、東南アジア子会社に於ける日本人駐在員と現地従業員の報酬比較です。

A、B、Cの3名は日本人駐在員、X、Y、Zの3名は現地従業員です。同じ営業課長という役職のB(日本人)とY(現地)の報酬を見ると5.5倍の開きがあります。

日本本社に新卒で入社して2年目のCの報酬は、海外赴任の諸手当が付与された結果、現地社員のトップである管理本部長のXとほぼ同額となってしまいました。

この企業に於ける報酬体系を見る限り、日本人駐在員のコストと現地社員のコストの差は、1990年代からそれほど変わっていないように見受けられます。

【図表】駐在員のコストは適性か ~ R社の東南アジア子会社に於ける報酬比較

(出典)R社からの聴取を基に作成

 
R社の現地子会社は、顧客の8割以上が現地の日系企業ということもあって、営業員20名の内、営業部長、マネージャー等の幹部6名が日本人駐在員でした。

実際、顧客である日系企業では、大手になるほど現地化が進んでいます。このため営業員が日本人であることが、取引に有利に働くことは今では殆どありません。

若手社員の海外駐在は教育的な意味合いが強く、各企業は積極的に取り組んでいます。

ですが、管理本部長とこの新人社員が、現地子会社の経営において同じ役割を果たしているとは考えられません。

また営業課長も、顧客の担当者にローカル社員が多くなっているにも拘らず、現地従業員と日本人駐在員との報酬に5.5倍の差がある理由を説明することは非常に困難です。

海外では個人のキャリアは自分で作るという考えが当たり前です。そのため、勤めている企業に昇進や昇給の可能性がなければ、優秀な人材はすぐ辞めてしまいます。

R社のような子会社の環境であれば、日本企業の本社が嘆く「優秀な現地従業員はすぐに辞める」のも当然のように思えます。

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