M&A仲介会社とファンドビジネスの違い

M&A仲介業を行うA社は、成長意欲が高い地方の中小企業をうまく取り込んでいると感じました。ただ、実際に人的資源が少ない中小企業が、次から次へと企業を買収すると、マネジメントの分散によりまとまりがなくなる危険があります。
もっとも、そんなことはA社にとってあまり関係がないのかもしれません。A社は最近PMIにも力を入れ始めています。M&Aを加速した結果、マネジメントが難しくなってしまった企業に対してPMI支援を提案することで、更なる収益機会を狙っているのかもしれません。
A社の事例で出てきたM社とS社の戦略を比較すると、そこに介入するM&A仲介会社とファンドでは、経営に対するスタンスが全く違うことが理解できました。
B社の話からは、事業承継を行うための事業再生ビジネスについての可能性と、PMI支援の必要性を感じました。また、今後日本で小型のM&Aが増えると、米国のビジネスブローカーのような事業が成り立つ可能性を考えました。
C社の話からは、銀行員の審査能力の低下と目先収益への拘りが、M&A仲介会社の躍進を支える結果になっていることが理解できました。この点については、筆者も、中小企業取引を専門とする銀行員数名にヒアリングしましたが、基本的にC社の意見と同意見でした。
これらのことから、C社がビジネスを行っている領域の企業を対象に、経営コンサルタントや中小企業診断士、その他士業と協働で事業再生を請け負う仕組みを構築することによって新たなビジネス機会が得られるのではないかと感じます。
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