M&A仲介会社の中小企業へのアプローチ

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A社は大手M&A仲介会社。年間の取り扱い数は年間600件以上と、この5年間で3倍に増加しています。コンサルタントを大幅に増員しても案件数の増加には追いつかず、業績も右肩上がりで毎年過去最高を更新しています。

M&Aに際しては、買い手側には「成長のために時間を買う戦略」、売り手側には「IPOと同じで、自らが創りあげた事業を別の株主に託すこと」と説き、積極的な取り組みを推奨しています。同社からは、実例として下記の実例2件が聴取できました。

創業者(現会長)が50代後半のM社(鹿児島県 売上70億円弱、営業利益2億円、従業員80名)は、経営を30代の新社長(息子)に早めに譲りました。

同社の新社長は事業拡大に熱心だったことから、A社はM&A戦略による事業拡大を提案。この結果、北九州で売上25億円、従業員数70名の土木会社の買収に至りました。

その後、M社は東京進出のために支社を設立することを検討した際も、A社から、コストと時間を買うために、既に基盤がある会社を買収した方が良い旨の提案を受けました。

その結果、売上5億円、従業員25名の千葉の型枠工事会社を買収、関東での基盤を構築しています。

しかし、M社の事業拡大意欲はこれだけでは収まりません。次に目をつけたのは海外でも成長著しいベトナムです。

すでに2社のM&Aを行って事業を拡大しているM社は、海外で商業施設の設計や施工を行うベトナム企業(当時売上1億円)に資本出資を決めました。

この案件が買収ではなく一部の出資に止まった理由は、M社の会長が社長である息子の事業拡大スピードを懸念したことです。しかし、ベトナムで買収した会社の売上は現在7億円に成長していて順調です。M社はこれからもM&Aで事業成長を図っていく方針のようです。

次の案件は、東北地方で家具製造販売を行うS社です。S社の社長は、過去にネットビジネスの会社を買収して失敗した経験がありましたが、事業の拡大意欲は衰えていません。ただ、事業承継を考えた際、若い後継者には経営経験や能力が足りないため、社長は事業承継の方法に悩んでいました。

そこでA社がPEファンドと提携し、7割をPEファンド、3割を後継者が保有する方式を提案しました。

この結果、PEファンドの持ち分には買い戻し特約を付与し、一定期間内にビジネスが順調に伸びればA社が買い取り、上手く行かなければファンドが買い取ることで最終的に合意に至ります。

PEファンドはS社の事業展開を、東北地方に集中したドミナント戦略として、大手家具会社との差別化を図ろうとしています。

その理由は、中小企業では経営者が隅々まで見ないと何が起こるかわからず、何か起こった時にすぐに現場に駆け付けられることが大事と考えているからです。

PEファンドは、基本的に中小企業がマネジメントする範囲を拡散すると、企業の力が落ちてしまうと考えているようです。

⇨ M&Aアドバイザーが語る中小企業の事業売却

⇦ 行政による事業承継支援~まとめ

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