日本・米国・欧州のPMIに対する意識の違い~どの段階でPMIを意識するか

早期から取り組むべきPMI
PMIはM&Aの成功を左右する重要な要素です。日本企業のPMIに対する意識は他国と比較するとどの程度、重要視されているのでしょうか。デロイトトーマツコンサルティングは、「直近のM&Aを実行する際、どの段階でPMI計画を開始したか」について調査しています。その結果をみると、デューデリジェンスの作業中からPMI計画を始めた企業が、欧州では50%、米国は40%となっているのに対し、日本では7%しかありませんでした。また、契約締結からクロージングまでの間にPMI計画を開始した企業は、欧州、米国共、10%程度しか存在しませんでしたが、日本では46%、つまり約半数の企業がディールの後半になってPMI計画を開始していることがわかりました。(図表)
デロイトトーマツコンサルティングは、この結果を「日本企業には交渉が決裂した場合の無駄を省こうとする意図を持つ者が多くいることがうかがえる」と分析しています。
さらにこの調査では、「PMIの進行が遅れ、M&A取引にマイナスの影響があった」と回答している日本企業が13%も存在しており、米国(0%)、欧州(3%)と比較すると、かなりの確率で日本企業がPMIの失敗を感じていることがわかります。こうした結果から、M&Aの成功にはPMIが重要であり、日本企業も欧米企業同様、M&Aを本格的に検討するデューデリジェンス時点から、PMIを開始するべきと考えることができます。
図表: 直近のM&Aに於いてPMI計画を開始した段階

(出典)デロイトトーマツ『日・米・欧 M&Aにおけるベストプラクティスに関する調査結果』[2013]
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