ステージによって異なるプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の投資戦略

プライベート・エクイティ・ファンド(以下PEファンド)は、非上場企業の株式を主な投資対象とするファンドの総称です。その投資戦略は、出資比率や投資先企業の成長段階によって下記のように多岐に渡ります。【図表】
☞ 成熟企業への出資比率を高め、経営への関与を通じて企業価値の向上を図る「バイアウト」
☞ 新興企業に出資を行うことで新規事業の拡大を資金面で支援する「ベンチャー」
☞ 経営不振企業の再生や債務整理を行う「ディストレスト /事業再生」
☞ 劣後債務・優先株などに資金拠出を行う「メザニン」
☞ バイアウトとベンチャーの中間に位置づけられる「グロース」
図表:ファンドの投資戦略

(出典)三井麻紀、大塚博行「日本におけるPEファンドの活用」『我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ』金融審議会(2011年)
「バイアウト」投資を行うPEファンドの種類も、上場企業をTOB等によって非上場化するケースや、カーブアウトのように、上場企業のノンコア事業を売却する際にファンドが出資するケース等さまざまです。
次回からは、非上場会社に対して単に出資するケースで、成熟期或いは、成熟期を過ぎた企業に対する投資を、PEファンドの「バイアウト」投資として採り上げます。
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