日米の企業数からみたM&A市場データの比較

Pocket

 

米国のM&A市場は、日本と比較するとはるかに活況であると言われます。そこで米国のM&A市場と日本の市場をデータで比較してみました。

IMAA (米国M&A協会)のホームページによると、米国では1995年から2018年までに累計件数で325件、金額では34兆9千万ドル以上のM&Aが取り組まれています。

2017年の取組件数は前年対比12.2%増の15,100件と、件数としては過去最高を記録。また2018年は14,540件と、前年比若干のマイナスとなっているものの、1985年以降のCAGR(年平均成長率)ベースでは件数で5.86%、金額で5.32%増と堅調な伸びを見せています。

一方、日本企業の2018年のM&A取組件数も、3,850件と前年の件数を26.2%上回り、過去最高記録を達成しています。また金額も、29兆8千億円と、前年の2.2倍に拡大し、これまでの最高だった1999年の18兆1千億円を超えて、19年ぶりに過去最高を記録しました。

金額がこれほど大きくなった理由は、大型のクロスボーダー案件が多かったことのようですが、件数については、ベンチャー企業へのM&Aが995件と前年比50.7%増加、事業承継案件も518件と前年の306件から69.3%増加しており、中小企業のM&Aが過熱していることがその理由と考えられます。 【図表1】

図表1:日米M&A件数の比較

(出典)IMAAホームページおよびレコフデータ『2018年1-12月の日本企業のM&A動向』[2019]

2018年の、米国に於けるM&A件数は14,540件と、日本の3,850件に比べて4倍弱となっているため、ここだけを見ると、米国市場のM&Aは、件数、金額とも日本よりも圧倒的に多く活況であるように感じます。

しかし、日本と米国では企業数が圧倒的に違います。企業数に対するM&Aの件数を比べてみると、米国では、約5.82百万者の企業数に対し、M&A件数は14.5千件(0.25%)です。

これに対し日本では、企業数1.75百万者に対するM&A件数は3.8千件(0.22%)です。企業数に対するM&A件数の比率を日米で比較すると、それほど違いがないことがわかります。【図表2】

図表2:日本と米国の雇用者数別企業者数

(出典)総務省「平成26年経済センサス」[2015]及びSBA(*)「US.Small Business Administration Firm Size Data 」[2014]

企業数の差を勘案すると、日本も米国に劣らずM&A市場が活況といえる気がします。ではどういう点で、米国市場のM&Aが日本よりもはるかに活況だと言えるのでしょうか。

 

⇨ 中小企業の売買数は日本の100倍~米国の巨大な小規模M&A市場

⇦ 地方銀行はM&A仲介会社の宝箱で良いのか③

(*)Small Business Administration 米国の中小企業庁 1953年設立の連邦政府機関

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です