小規模M&A市場の活性化が期待される事業引き継ぎ支援センター

事業引き継ぎ支援センターは、後継者が不在の中小企業者の事業承継を支援するために、 2011年度より全国47都道府県の認定支援機関(商工会議所、産業振興センター等)に設置されています。
同センターは事業承継に関する幅広い相談対応や、M&Aのマッチングを行う場所となっています。また、後継者のいない個人事業主と起業を志す起業家をマッチングする「後継者人材バンク」事業も取り扱っています。
事業引き継ぎ支援センターでは、まず譲渡する側と譲り受ける側双方の相談を受け付けます(1次対応)。そして、相談案件がM&A支援につながると判断した場合は、その案件を登録機関等に橋渡し(紹介)をします(2次対応)。
マッチングする相手が既に決まっている場合などは、事業引き継ぎ支援センターが弁護士、会計士等を利用しながら、M&Aの支援をします(3次対応)。【図表1】
図表1:事業引き継ぎ支援センターの支援スキーム

(出典)中小企業庁「事業引き継ぎハンドブック」[2017年]
これまでM&A(第三者承継)の担い手は、メガバンクや外資系大手金融機関、地域金融機関、民間M&A仲介会社等でした。しかし、いずれの機関も一定規模以上のM&Aに対する取組が中心であり、小規模なM&Aの担い手はほとんどいませんでした。
事業引継ぎ支援センターが、中小企業のM&Aを積極的に支援するようになったことから、中堅・中小企業でM&Aを検討する企業が徐々に増え、市場の裾野が広がってきています。
その結果、最近では小規模企業のM&Aを取り扱うM&A仲介会社やM&Aに特化した会計・税理士事務所も増加しています。【図表2】
図表 2:市場における事業引き継ぎ支援センターの位置付け

(出典)中小企業基盤整備機構「事業承継に関する最新動向について」[2018]
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本書はM&Aや事業承継のノウハウ本ではありません。普段話を聞けないPEファンドや大手事業会社、それぞれの立場から見たM&AやPMI、そして事業承継ができない本当の理由や、これから中小企業のM&Aや事業承継現場で起きること、そこで必要とされるスキルや能力について説明しています。
後半では、小規模M&Aのビジネスモデルに基づいた事業計画の作り方とその根拠を説明しています。ビジネスモデルの作り方や事業計画の策定マニュアルとしても参考になるはずです。
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