なぜ黒字の中小企業は廃業するのか?

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中小企業経営者の高齢化に伴い、休廃業や解散する企業の数も増加しています。

2016年には、企業経営者の年齢が60歳以上の企業の割合は82.4%と過去最高となり、80歳以上の企業も14.0%とこちらも過去最高を記録しました。【図表1】

 

図表1:休廃業・解散企業の経営者年齢の構成比変化

(出典)中小企業白書[2017]

2013年から2015年までの期間に休廃業(含む解散)した企業84,091者のうち、廃業直前の経常利益が黒字状態であった企業の割合は50.5%、なんと半数以上の企業が廃業前に黒字でした。

また、売上高経常利益率が10%以上の企業は13.6%、20%以上の企業も6.1%と、約2割の企業が廃業前に10%以上の経常利益率を確保していました。

黒字廃業した企業は、約7割が従業者数5人以下の小規模企業、9割以上は20人以下の中小企業であり、経常利益率が高収益であった廃業企業の約8割が5人以下、9割以上が20人以下の企業でした。【図表2】

 

図表2:休廃業・解散企業の企業規模(黒字企業、高収益企業)

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(出典)中小企業白書[2017]

 
黒字・高収益廃業企業の特徴としては、小規模や個人事業者の割合が比較的高く、業種としては建設業やサービス業(経営コンサルタント、金融商品取引業、不動産仲介業等)の割合が多くなっています。

経営コンサルタント等のサービス業に関しては、「経営者や従業員が特定の資格や技能を取得する必要のある事業に該当する場合も多く、事業の特徴として、事業の承継が困難であった可能性がある。」と中小企業白書2017年版は推察しています。

経営コンサルタントや士業は、固定費がかからないため収益性が高い一方、資格の取得が必要なことも多いため、一代限りで終わる事業者も多いようです。

このような事業では、代表者が高齢になって廃業しても、パートナーや社員の多くは独立したり他の事務所で働いたりすることができるため、後継者が不在でも無理して承継を考える必要もないのでしょう。

「黒字なのに廃業」という実態を捉えるためには、こうした事業者を区別し、業種別等でその数を見る必要があります。

参考

企業が陥るキャッシュフロー(資金繰り)の観点から下記の記事を書いています。財務にそれほど詳しくない経営者や事業責任者、営業員向けのシリーズですので、もしご興味があれば下記ブログ㉓~㉕をClickしてご覧下さい。

☞ 今さら聞けない財務と数字の話㉓~取引先の財務状況を見極める①

 今さら聞けない財務と数字の話㉔~取引先の財務状況を見極める②

☞ 今さら聞けない財務と数字の話㉕~CCCとは

 

⇨ 中小企業の事業承継が注目される理由

⇦ データで見る、中小企業の親族外承継(事業売却)
 

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