代理店との契約を解除し、子会社を設立して売上10倍

 

B社(製造業 産業機械メーカー) 

B社は中堅の産業機械メーカー。15年程前からインドネシアの代理店と提携して同国に進出する日系企業をターゲットに自社製品を販売してきた。近年インドネシアには日系企業が数多く進出をしているが、同社の売上はここ数年殆ど変わらず、現地代理店に販売計画や実績見込みを聞いても、しっかりとした返事が返ってこない状況が続いていた。

調査結果

  1. 現地で調査すると、代理店の倉庫にはB社製品がかなり多かった。代理店の営業責任者に話を聞くと、そもそもB社代理店は現地の日系企業へほとんど営業をしておらず、進出してきた日系企業がB社代理店の存在に気付いて製品を購入するケースが多いとのことがわかった。
  2. B社代理店の社長は2代目で、産業機械販売よりも不動産ビジネスに注力していた。この為、B社のビジネスは営業責任者に任せきりであった。代理店のターゲット顧客はローカル企業が多く、営業マンは高額なB社製品よりも値段が安く数が売れる他社製品を地元企業に販売し、営業インセンティブを稼いでいた。

対応

  1. B社代理店には、競合他社の業績や日系企業の進出数から算出したB社製品のあるべき販売額を示し、毎年の販売目標と達成できなかった場合のペナルティの交渉を行った。その結果、代理店からはB社製品の取り扱いを辞めたいとの申し出があり、B社は1年後に同国で100%出資の販売会社を設立した。
  2. B社にはアジア担当の海外事業スタッフが少なかった為、市場調査、投資庁への申請、輸入許可、事務所や倉庫・作業場の手配、幹部・スタッフの採用、その他経理のアウトソーシング先や運転手の派遣まで全てB社の代わりに私たちが行った。
  3. B社は海外経験のない日本の営業現場の人材2名を社長と営業部長として現地法人に送り込んだ。しかし日本語が話せるスタッフを数名採用していたこと、管理部門を管掌する優秀な幹部が採用できたことから問題は全く起こらなかった。子会社の業績は立ち上げから好調で、設立2年目に従来の代理店売上対比10倍の売上と営業利益黒字化を達成した。

ポイント

  1. B社の製品はアメリカ市場が最も大きく、インドネシアは販売額が小さいこともあって本社の海外部門ではあまり興味を持たれていなかった。しかし国内営業部にはインドネシアに進出した企業からB社製品の問い合わせが増えてきていたことから、海外事業部ではなく、国内営業部から人材を出すように提案。その結果、B社としては初めて国内営業部門から海外への駐在員を送り込んだ。
  2. 国内営業員は海外事業部に比べ製品の構造や技術的なことを良く理解しており、顧客からの評判も良かった。また積極的に日本人会や業界の集まりに参加し、スタッフとのミーティングや同行を通じてインドネシア語を習得するのも早かった為、順調なスタートができた。